ソフトウェア(無形固定資産)に必須の保守料の取扱い
固定資産取得に関して、ソフトウェア(無形固定資産)を取得する際、初期費用として必須の保守が発生しております。
固定資産の取得にかかる初期費用として資産計上するべきだと考えております。
税理士のご意見をお聞きしたいです。
税理士の回答
ご回答します。
固定資産の取得価額は①②です。
①購入代金+購入のために要した費用
②事業に供するために要した費用
ご質問の【初期費用として必須の保守】の費用ですが、一般的に保守費用は、その固定資産の維持のためにかかる費用なので、期間対応させて期間に応じて経費となるものです。
上記の②事業に供するために要した費用は、据え付け費用、試運転費用などのことを指していますので、保守費用は取得価額に含めないものと考えます。
ご参考にしてください。

増井誠剛
ソフトウェアの取得に際し、導入時に不可避となる保守料が発生する場合、その性質により取扱いが異なります。取得に不可欠であり、利用開始までに必須となる初期設定・導入支援や保守対応は、取得原価に含め無形固定資産として計上するのが原則的処理です。一方、利用開始後の継続的な保守・サポート契約については、資産計上せず発生年度の費用処理とするのが妥当です。したがって、ご指摘の「初期費用として必須の保守」であれば、資産計上対象となる可能性が高いと言えますが、その内容が単なる維持契約に留まらないかを確認することが肝要です。

ソフトウェアの使用を開始するまでに発生した保守費用は、原則として取得価額に含まれます。これは、ソフトウェアを事業の用に供するために直接要した費用と考えられるためです。
一方、ソフトウェアの使用を開始した後に発生した保守費用は、原則として取得価額には含まれず、保守料などの費用として処理されます。これらは、ソフトウェアの維持管理のために発生した費用と見なされるためです。
ただし、例外として、保守費用がソフトウェアの耐用年数を延長させたり、新たな機能を追加したりするなど、その価値を著しく増加させる場合には、取得価額に加える場合があります。
【結論】
● ソフトウェア(無形固定資産)の取得時に発生する「必須の保守料」は、そのソフトウェアを事業で使える状態にするために欠かせない費用であれば、取得価額に含めて資産計上するのが適切です。
● 一方で、導入後の通常の保守料(バージョンアップ・不具合対応など)は、取得価額には含めず、その都度の費用処理とするのが一般的です。
【詳細】
● ソフトウェアは法人税法上「無形固定資産(減価償却資産)」に該当し、取得価額には以下が含まれます。
・ソフトウェアの購入代価
・事業で使えるようにするために直接要した費用
● ご質問の「初期費用として必須の保守」が、導入や稼働に不可欠な初期設定・サポートといった性質を持つ場合は、取得価額に含めて資産計上します。
● これに対して、導入後の年間保守料は、機能維持や不具合対応など継続的サービスの性質が強いため「支払手数料」や「修繕費」として費用処理するのが通常です。
● さらに、ソフトウェアの機能が大きく向上する改良や追加開発があった場合は「資本的支出」として資産計上の対象になるケースもあります。
【まとめ】
● 「導入時に必須」なもの → 取得価額に含めて資産計上
● 「導入後の通常の保守」 → 期間対応の費用処理
● 「大幅な改良」 → 資本的支出として資産計上
少し迷いやすい論点ですが、ポイントは「ソフトを事業に使える状態にするために必要なものか」「導入後の維持やサービスか」で分けて考えると整理しやすいです。
本投稿は、2025年09月09日 10時37分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。