自宅を事務所として使う場合の費用負担
コンサルティング業務を行う法人 (社員は私のみ) を作ろうと考えています。
登記はバーチャルオフィス、事務所は自宅で始める予定ですが、自宅のどの程度まで経費化しようか悩んでします。
物件 (持ち家・ローンなし) の家賃相場は10万円程度なので、業務利用を床面積の10%相当とすると1万円程度です。築年数は51年なので、固定資産税・都市計画税も業務利用率と月割りで按分すると少額です。
多少の節税にはなるかもしれませんが、手間のコストとバランスしないように思います。
(「自宅を法人に貸す」を節税アピールしているウェブページが多くありますが、言葉のインパクトほどの効果はなさそう)
一方で、自宅の事務処理用に関する取り決めが全くないと、自宅利用が「個人から法人への利益供与」と指摘されないか心配です。
ということで、電気代とネット代のみ、個人・法人間であらかじめ合意した按分で法人の経費として個人から法人に立替精算する旨の覚書を交わしておこうと考えています。
この方向性は妥当でしょうか。
面倒でも賃貸契約を交わした方がいいですか。
税理士の回答
ご記載の方向性で、おおむね問題ないと考えます。
◆自宅を無償で使用する場合
法人から個人へ賃料を支払わず、自宅の一部を法人の事務所として無償で使用するのであれば、「使用貸借」として整理することが考えられます。
使用貸借とは、簡単にいえば、賃料を取らずに物を使用させる契約です。
したがって、自宅を法人に無償で使用させるからといって、必ず賃料を設定して賃貸借契約を結ばなければならないわけではありません。
ただし、代表者個人と法人は別人格ですので、使用する範囲や目的、無償で使用すること、電気代・通信費などの負担方法を、簡単な使用貸借契約書や覚書に残しておくとよいでしょう。
◆電気代・インターネット代
電気代やインターネット代については、法人の業務に使用した部分を合理的に区分できれば、その実費相当額を法人で負担することが考えられます。
按分割合は一律に決まっているものではありません。
電気代であれば使用する場所の床面積や使用日数・時間、通信費であれば実際の利用状況など、それぞれの費用の性質に応じた基準で計算します。
ご質問にある10%についても、先に10%と決めるのではなく、実際の利用状況から説明できる割合とすることが重要です。
また、毎月一定額を手当のように支給するのではなく、実際の請求額から事業使用分を計算して精算し、
・電気代、通信費の請求書
・按分割合とその計算根拠
・毎月の精算内容
などを残しておくとよいと思います。
◆法人から賃料を支払う場合
法人から個人へ自宅の事務所使用分について賃料を支払うのであれば、無償で使用する場合とは分けて考えます。
賃貸する範囲や賃料などを定めた賃貸借契約を作成し、法人側では事業に使用する部分について地代家賃などとして処理します。
一方、賃料を受け取る個人側では、不動産所得としての申告関係や、自宅にかかる費用のうち必要経費にできる範囲について検討することになります。
丁寧に解説戴き、ありがとうございました。
自宅では業務用のデスクスペース程度が確保できれば十分 (対面打ち合わせは当方で確保した貸し会議室か客先) ですので、面積按分だと15-20%が限界とみています。
また、個人の事情としては、自宅は家人との共有となっており、賃貸契約を交わした場合の各人の不動産所得は単独所有と比較して更に少額であるにもかかわらず確定申告の手間が生じます (家人は「その手間が金額に見合わない」と言っており賃貸感は消極的です)。
とはいえ、本店はバーチャルオフィスで実際には自宅を事務所として使用しているにもかかわらず、その根拠が存在しないのも不自然 (利益供与と見做されるかもしれない) ですので、使用貸借契約は締結しておくのが無難かと思っています。
ご返信ありがとうございます。
ご理解のとおりでよいと思います。
今回のように法人から賃料を支払わないのであれば、使用貸借契約を作成しておくことで、法人が自宅のどの部分をどのような条件で使用しているのかを明確にできます。
「契約がないと利益供与とみなされる」というよりも、代表者個人と法人は別の主体ですので、無償使用であることや費用負担のルールを明確にしておく、という意味で作成しておくのが望ましいです。
電気代・通信費についても、実際の使用状況に応じて、それぞれ合理的な基準で按分・精算していただければと思います。
本投稿は、2026年09月15日 22時49分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







