海外居住者2人による日本人向けサービスの税務処理について
こんにちは。知人と2人で、新しく日本人向けのサービスを開始する予定です。
・状況
私はドイツ在住、知人はスイス在住です。
有料メディアのようなネットで完結する形で事業を始めます。
日本に施設や従業員はおりません(サーバーのみ)。
Paypal等の決済サービスを使います。
・疑問
事業の収益と経費を知人と等分に分けたいが、LLPは日本居住者が必要(できれば家族等は介在させず自分たちだけで完結させたい)。
国内源泉所得に当たるため、海外法人設立のメリットはなさそう(ドイツ、スイス、エストニア等での法人登録も視野に入れておりますが)。
片方を個人事業主としてもう片方に給与所得の形で分配すると、所得区分や経費の点で不公平感が出そうなので、できればやりたくない。
・質問
海外在住者が複数人共同で日本人向けのサービスを行う際に、収益と経費を任意の割合で自由に分配できるようなスキームはございませんでしょうか?
よろしくお願い致します。
税理士の回答

国内源泉所得にあたるのですね。ここの検討が肝になるのかと存じます。
これがそもそも該当しなければその後の検討は不要になりますので。
かつ、海外で法人を設立して、とのことですし、PEも日本に内容ですし、その部分に焦点を充て、改めて国内源泉にあたるかどうか、事実、検討した事項等を基に、改めて質問を投げてみるのも良いのかもしれませんね。
情報提供は著作物の使用料にあたり、これが国内源泉所得に該当するという認識でいましたが、日本在住の日本人に対してサービスを提供していたとしても国内源泉所得に当たらないケースがあるということでしょうか?
ご回答ありがとうございました。

国内にPEが無いのですよね。であれば、国内源泉所得として可能性があるのは、
(9) 国内で業務を行う者から受ける工業所有権等の使用料、又はその譲渡の対価、著作権の使用料又はその譲渡の対価、機械装置等の使用料で国内業務に係るもの
に該当するのですね。かつ、租税条約において異なる定めがされていないことも法人が設立される国(※国ごとに、日本との租税条約の内容もすべて確認されている)という確認をされ、解釈もお済みであれば宜しいのかと存じます。
PEはありません。
各国間の租税条約にも目を通し、そこでまた専門家の方の意見を頂戴したいと思います。
ありがとうございました。

日本人向けサービス、としてそもそもどのようなサービスなのか不明ですが、それが著作物の使用料にあたるようなサービスであるのは明確なのですね。内容によってでは無いかと思いますが。
更に、所在する国の所得の範囲を確認し、果たしてどこで納税すべきなのか、二重納税になり、外税控除的なことにするのかといった論点が生じることになると思います。事業規模は違いますがタックスヘイブンを求めてルクセンブルクに本社を置く。それに付随する税関連について数十名の会計士等がチームを組んで検討した上で本社所在地を決めるグローバル企業に似たことを個人で検証され、実行されるのですね。規模では無いのですね。起業する障壁はここまで下がっているとは驚きました。
個人向けと法人向けのサービスがあり、法人向けは(規模は違いますが)メディアに記事を配信する通信社のようなサービスと専門的なレポートを提供するサービスで、少なくとも前者は著作物の使用にあたると解釈しています(実行に移す前にこれも専門家に料金を払って相談するべきですね)。
我々はもともとは日本での登記のみを考えておりましたが、日本での登記に印鑑証明、実印の用意、銀行口座開設の手間を考えると、欧州在住者にとってはむしろ日本での登記の方がハードルが高く、デジタル化が進んでおり距離も近いエストニア等の国での起業を考えざるを得ないというのが実情です。
ただし仰る通り、上記のコストや手間を省けたとしても、今度は条約の確認や現地の専門家への確認など、別の手間が掛かってしまうので、家族を一人組合員として入れ、LLPでスタートするのが良い気がしています。

LLPですと、パススルー課税ですので、法人格はあっても、各人が個人としての確定申告をすることになりますね。この場合、非居住者の方については個人の申告としては国内所得にあたる分を申告することになります。ここで、申告の範囲の論点がまた生じることになりますね。
また、LLPでは事業に従事していないといけないので、その方は、総務、経理的な業務に従事することにされるのですね。
であれば、シンプルには、日本で、株式会社をつくり、法人税申告だけで済むようにする。社員は3名。2名は非居住者なので、国内源泉は不要。お住まいの国にて所得税?の申告をする。といったものがシンプルでしょうか。
ご返答ありがとうございます。
海外法人の場合のネックは日本円決済だったのですが、日本にある個人の銀行口座を使って立て替えることが法的に可能なのであれば、海外法人の方がコストが低いと思うので、まずはそちらを検討し、難しそうであれば日本で合同会社を作ろうかと思っています。

合同会社はお勧めできません。というのも、定款に記載した按分方法で各人毎に紐づけて株式会社における資本の部の内訳管理をしないと後で収拾がつかなくなることがありまして、おそらく、表面上はコストが低いのかもしれませんが、特定の税理士への依頼となり、中長期的なコストは嵩みますし、ご自身でされても不測の課税を受ける恐れがあるためです。合同会社は、親族での飲食店経営や、外国法人がパススルー課税、総会決議の不要等の便益を受けるための利用はありますが、第三者間で一緒にする場合の法形式としては適切とは言えませんので。
追加のご説明ありがとうございます。我々はこのサービス以外にも別々に業務があるため、毎月の仕事量が固定されていません。それ故に、利益配分が自由なLLCやLLPの方が都合が良いかと思っていたのですが、仰るような問題はおそらく高確率で起きますよね(創業者間契約書は準備済みです)。
様々な視点からアドバイスを下さりありがとうございました。海外法人の点だけ明瞭にしたい部分があるので、こちらを別スレッドにて質問させていただこうと思います。本当にありがとうございます。
本投稿は、2018年03月24日 22時56分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。