市街地調整指数を利用した取得費の算定について
自宅(店舗兼住宅)の購入価額について
自宅(店舗兼住宅)を今年中に売却予定です。
ただ、15年前にその物件を購入した際の資料(売買契約書、領収証、振込明細、その他)が見当たりません。
調べた結果、5%の概算取得費ではなく、「市街地調整指数」を利用して購入時の物件価格を推計しそれを取得費とする方法があるということを知りました。
また、その「市街地調整指数」を利用した取得費の算出例等を確認したところ、売却価格に購入時の指数を乗じて取得費を推計することを知りました。
そこで質問なのですが、
①売却価格が市場相場より高額で売れた(大手不動産会社による買収)場合、指数を利用して取得費を推計すると、推計した取得費が高額になってしまいます。その場合はそれに代わる、より合理的な取得費算出方法があるのでしょうか。あるとすればどのような方法でしょうか。
②物件購入した際の資料はないのですが、おおよその支払金額を覚えているような場合はその金額を取得費とするべきでしょうか。
お手数お掛けしますが、何卒よろしくお願い致します。
税理士の回答
1. 市街地価格指数を用いて取得価額を推定する方法は、どのような場合でも認められるものではなく、いろいろな算定方法のなかの一つとして認められる可能性があるものになります。本件のように譲渡価額に特殊事情がある場合には、単純にこの指標で比例計算を行うことは合理的ではないと考えます。
実務的には次のような方法で購入価額を推定するものと考えます。
① 15年前に購入されたときの仲介会社に当時の資料が残っていないかを確認する
② 15年前の預金通帳等が残っていればそのときの支払い状況を確認する
③ ローンを利用されていれば不動産の登記簿謄本(乙欄)の抵当権の金額を確認する
④ 15年前の路線価から土地価額(時価)を推定計算し、建物の建築価格推移表から15年前の建物の建築価額の相場を推定計算する
2.15年前であればおおよその金額の記憶はあると思われます。ただし、何の金額の裏づけもなくその記憶だけの価額を取得費とすることはできません。記憶の金額に近づくよう、上記の様々な方法で算定根拠を明確にして合理的に取得費を算定することが必要になります。
本投稿は、2018年04月03日 16時04分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。