住民税の申告は必要?
2025年から、所得税の基礎控除額が増額されました。証券会社の一般口座での利益が55万円の私(特定口座の利益はありますが、その他の所得は一切ありません)は、所得税の確定申告は不要だと思われますが、住民税の基礎控除額は変わらないようなので、今回の私の場合、「所得税の確定申告は不要だが住民税の申告は必要」ということになってしまうのでしょうか?
また、自治体は、上記の私のような「所得税の確定申告は不要だが、住民税の申告は必要」というケースをどのように把握できるのでしょうか?
税理士の回答
出澤信男
自治体が直接証券会社と連携して情報を取得するのは難しいと思われます。しかし、マイナンバー制度が導入されたことで税務関係の情報連携は強化されてきていると思われます。
良波嘉男
① 結論
今回の相談者様のケースでは、住民税の申告は“原則必要”です。
理由は、住民税の基礎控除は 43 万円のままなので、一般口座の利益 55 万円は 住民税の課税対象になるためです。
(※所得税の基礎控除48万円 → 2025年改正後58万円、住民税は据え置き 43 万円)
→ 所得税は申告不要でも、住民税は申告必要という状況が発生します。
② なぜ自治体は把握できないのか
証券会社の 一般口座の利益は、自治体には自動的に通知されません(源泉徴収も無し)。
マイナンバー制度で国税(国税庁)との連携はありますが、一般口座の情報は税務署にも基本的には自動送信されないため、自治体は把握できません。
→ 住民税は 申告しないと“なかった扱い” になります。
③ つまりどうなるか
所得税:基礎控除58万 → 利益55万 → 申告不要
住民税:基礎控除43万 → 利益55万 → 課税対象 → 申告必要
自治体は把握できないため、相談者様が自分で住民税申告する必要があります。
④ 相談者様がやるべきこと
自治体の「住民税申告書」に一般口座の利益55万円を記載して提出
特に資料添付が求められる自治体もあるため、
取引報告書の印刷 or PDF を準備
これで住民税の課税関係は適正化されます。
本投稿は、2025年11月05日 10時42分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







