海外居住者ですが日本に所得税を払うことは可能でしょうか
ヨーロッパ居住の自営業者です。
私の住んでいる国では、自営業者の所得税と保険料が非常に高くて、生活にも支障があります。収入の20%(必要経費差し引きなしで)そのまま取られ、加えて、収入がなくても毎月300ユーロほどの保険料を必ず払わなければなりません。私の収入は低く、ただでさえ、家賃を払って食料を買うだけで精一杯です。それで、税金を払うために、借金をしなければならないほどです。年に一度、払いすぎた税金は戻ってきますが、必要経費として認められるものは、職種のカテゴリによって限定されていて、日本のようにいろいろなものを経費として落とすことができません。実際にビジネスに必要なものまで、経費として落とすことができないのです。
それで、私のクライアントはほとんどが日本人なので、日本に事業拠点を作り、日本で税金を払うことは可能だろうかと考えています。株式会社など作る資金は全くありません。未成年の息子がいますし、居住区では、きちんと、住人として登録し、息子を学校にきちんと行かせなければいけません。
居住区側での法律やシステムも、調べなければいけませんが、まず、可能性として、日本に所得税を支払うことは可能か、どんな利点があるか(比較の上で)知りたいと思っています。確かに日本での非居住者の税金は高いですが、それでも、居住国で税金を払うよりは、ずっと現実的なのかもしれないと考えています。
税理士の回答

米森まつ美
お尋ねの主旨である、日本(だけ)で課税を完結させる方法はないと思われます。
貴方が日本の非居住者である限り、日本で所得税が課税されるのは「国内源泉所得」のみとなります。事業所得の場合、原則、日本に支店等がないと日本で課税はされません。
なお、ヨーロッパの国とは租税条約を締結していますので、貴方の居住国と租税条約により詳細は異なると思います。
貴方が日本の「国内源泉所得税」に該当する「所得」を得た場合、日本でも課税されるとともに、居住国でも課税の対象となります。
居住国では、二重課税防止の観点から、日本で課税された税額は外国税額控除の対象とされると思います。
国内源泉所得の種類と課税方法について参考となるサイトを添付します。
「国内源泉所得の範囲」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2878.htm
「非居住者に係る源泉徴収事務」P7が一覧になって見やすいと思います。
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/aramashi2018/pdf/12.pdf
ありがとうございます。
「事業所得の場合、原則、日本に支店等がないと日本で課税はされません。」ということですが、日本の実家に、事業拠点を作り、事業所として税務署に登録するということは可能でしょうか。さらに、私の仕事はすべてインターネット上で行うのですが、オンライン上の営業所というようなシステムは存在するのでしょうか。また、最近は、比較的安く、会社を設立することもできるとも聞いています。

米森まつ美
日本での事業活動が有るか否かとなります。実態が無い場合、なんとも言えません。
国内源泉所得のどれにあたりましたか?
居住国での課税も有りますし、外国税額控除は全額認められるかは、貴方の居住国の税制にもよります。
法人設立は、合同会社等は資本金額も少なく設立できます。
日本で法人を設立し、日本の顧客との契約は日本法人が行い、貴方は役員報酬を貰うということでしょうか。内国法人から支払われる役員報酬は国内源泉所得として、日本の所得税が課税されます。
日本で実務をする人が必要と思います。また、法人の決算、法人税、消費税、事業税の申告も必要になります。仮に赤字であっても、事業税の納付義務が生じます。
本投稿は、2019年07月23日 16時37分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。