土地のみ保有している会社の清算事業年度の法人税支払いに関しまして
唯一の資産が土地である、一人オーナー企業(株主は私一人)の会社があります。
20年近くペーパーカンパニー状態です。20年近く前に税務署へは休業届を出しています。BSでは土地のみ計上されています。
今回私が清算人となり、この会社を清算することになりました。
残余財産分配でこの土地は私に分配されます。
ただ、BSの土地は50年前の購入時の簿価なので、時価評価しなければなりません。
時価評価した土地評価益は清算事業年度の課税対象になると思いますが、この
会社は土地しか保有しておらず、現預金はありません。
ですので、法人税を支払えません。
このような場合どうやって法人税を支払えばよいのでしょうか?
私がいったんこの会社にお金を貸し付けるか、もしくは私がこの会社から土地を購入するという方法になるのでしょうか?
この会社には銀行口座もありませんので、いずれの方法も、実質的には私(個人としての私)から私(会社の清算人としての私)へのお金の支払いになります。
税理士の回答

土師弘之
土地しか保有していない会社を清算するということは、清算前に土地を処分(売却)することになります。
通常は、当然売却相手から金銭が入ってくることになります。そこから法人税等を支払うわけですから、支払えないということは考えられません。負債がありそれを精算するため1円も残らないというのであれば話は分かりますが。
そのため、株主に土地を残余財産として代物弁済するということになっても、一旦は売却するという形を採ることになりますので、結果的には、会社が納めるべき税金は売却相手である株主から徴収する必要があるということになります。
会社清算とは、会社の資産を「換価」し、負債をすべて支払うという手続きです。
この「換価」(現金化する)処理を「時価評価する」ことと勘違いしておられるように思います。
ありがとうございました。
>この「換価」(現金化する)処理を「時価評価する」ことと勘違いしておられるように思います。
現在BS計上額は約50年前に購入した300万円なのですが、現在の時価だと2000万円ぐらいのとちです。
株主に換価する際に300万だと低すぎるので、時価に評価替えしたのちに換価しなければならないと思い、「時価評価」と書いたのですが、どこか認識を間違えておりますでしょうか?

土師弘之
清算結了前に売却するのですから、「時価評価」するのではなく実際の売却価額が計上されることになります。
「資産を換価する」というのは処分(売却する)ということです。
なんどもすみません。「時価評価」と書いたのは、土地を売却するのではなく、残余財産分配で株主に分配するときに必要であるという趣旨で書きました。

土師弘之
処分しなければならないので、残余財産分配でも同じことです。
残余財産分配なら時価評価したのちに分配でないでしょうか?
簿価のままだと、源泉税の額が少なすぎる結果になりますが。
簿価と時価が著しく違う場合は時価評価するものだと思います。

土師弘之
残余財産の分配であっても、資産を代物弁済する(そのまま引き渡す)場合は、時価で譲渡したものとみなして損益を計算し、そのうえで純資産を分配することになります。このため、「一旦売買をした形を採る」というのはそういう意味です。簿価のまま分配するのではありません。したがって、法人決算上は、「土地売却益」が計上されます。結果的には時価評価額が譲渡代金となりますが。
300万円の土地を時価2,000万円で売却したこととすると、1,700万円の土地売却益が発生します。これに対して、法人税等がかかります。法人税率を仮に20%だとする(未払法人税等340万円)と、純資産は1,660万円(未収入金2,000万円-未払法人税等340万円)となります。
よって、株主に還元する金額は1,660万円となります。
資本金がいくらかはわかりませんが、仮に1,000万円だったとすると、660万円がみなし配当金となります。
時価評価して2,000万円を株主に還元するのではありません。
実際に他人に売却すれば上記のようになりますが、この場合は、土地の譲受人=株主となるため、2,000万円のうち1,660万円しか返ってこなくなりますので、法人税分340万円が株主の持ち出しとなります。また、株主は2,000万円の土地を保有したことになります。
他人に土地を売却した場合と株主に土地を残余財産分配した場合とで法人として異なる結果にならないように、上記のように考えることになります。
ありがとうございました。ようやく理解できました。大変助かりました。何度も申し訳ございませんが、株主は私一人ですので、私が2000万円で土地を保有したことになりますが、税務上会社から私が2000万円で土地を譲り受けたことを証明する書類は何を残しておけばよいでしょうか?
架空の売買契約書を作った方がよいのでしょうか?

土師弘之
会計上は現実に譲渡したことになりますので、売買契約書を作成することになります。登記の際必要です。架空ではありません。
ありがとうございます。司法書士の先生からは代表清算人であり株主でもある私に土地を譲渡する株主総会の承認の議事録があれば登記はできるとのことです。ですので、登記上は売買契約書は必要ないと思います。清算事業年度の最終の確定申告書を税務署に提出しますが、税務署から何か聞かれた際に、2千万円で譲渡した証といて売買契約書が必要になるという理解でよろしいでしょうか?

土師弘之
土地譲渡の株主総会の議事録が譲渡の証明となるのであれば、それで十分だと思われます。売買契約書は譲渡の証明ですので、必須ではありません。
ありがとうございました。いろいろと教えていただきまして申し訳ございませんでした。ありがとうございました。
本投稿は、2022年12月17日 13時59分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。