簡易課税の事業区分について
電気通信設備業を営む法人で、簡易課税を選択しています。
消費税の売上区分で
電話機(工事を含まない)・トナーなどの販売は第1種もしくは第2種
機器取付などの工事は第3種
既存の機器撤去は第4種
電話機やパソコンの設定のみ(工事・資材など発生しない場合)は第5種
のように分けているのですが、この認識で合っているでしょうか?
例えば、同業者の中には電話機など機器の設置工事の場合、機器代金を第1種、資材・工事代金を第3種として処理しているという話も聞きましたので、ご相談させていただきました。
何卒、ご指導のほど宜しくお願いいたします。
税理士の回答
宮本大樹
簡易課税制度の事業区分は、原則として個々の取引内容に応じて判定することになります。
ご質問の区分については、基本的な方向性としておおむね妥当と考えられますが、いくつか注意点があります。
① 電話機・トナーなどの販売
仕入れた商品を性質や形状を変更せずに販売する場合は、販売先が事業者であれば第1種事業、一般消費者であれば第2種事業に該当します。
なお、第1種事業については、販売先が事業者であることを帳簿や書類等で確認できるようにしておく必要があります。
② 機器の取付・設置工事
機器や主要資材を自社で調達して行う電気通信設備工事は、原則として第3種事業に該当します。
一方、発注者から主要機器・資材の支給を受け、取付・配線等の人的役務を提供する場合は、第4種事業に該当することがあります。
この場合、ケーブルなどの補助的な資材を一部自社で調達していても、第4種事業となる場合があります。
③ 既存機器の撤去
撤去作業については、一律に第4種事業とするのではなく、作業内容に応じた判断が必要です。
他の事業者から委託を受け、機器の取外しなど人的役務を提供する場合には、第4種事業に該当することが考えられます。
一方、設備の解体・更新工事として請け負う場合には第3種事業、工事ではなく機器の回収・廃棄物処理等の独立したサービスである場合には第5種事業となる可能性もあります。
④ 電話機・パソコンの設定のみ
配線工事や機器の設置工事を伴わず、設定作業のみを独立して請け負う場合には、通常、第5種事業に該当すると考えられます。
ただし、設備工事の一部として行う設定・調整作業については、その工事の内容に応じて判定することになります。
⑤ 機器代金と設置工事代金を分ける場合
この点については、国税庁の質疑応答事例「簡易課税の事業区分について(フローチャート)」において、資産の譲渡と役務の提供が混在する取引で、それぞれの対価が区分されている場合には、区分されたところにより事業区分を判定する旨が示されています。
したがって、一つの契約であっても、電話機などの販売と設置工事が混在し、それぞれの対価が適切に区分されている場合には、機器販売部分を第1種事業、設置工事部分を第3種事業とすることが可能と考えられます。
ただし、工事一式の請負代金を単に機器代・材料代・工事費という原価内訳に分けて表示しているだけの場合には、必ずしもそれぞれを異なる事業区分にできるわけではありません。
また、資材代金についても、独立した商品販売なのか、工事の請負対価に含まれるものなのかによって判断が異なります。
以上から、ご質問の区分方法はおおむね妥当ですが、特に撤去作業と、機器販売を伴う設置工事については、契約内容や実際の取引形態を確認して判断する必要があります。
ご参考になれば幸いです。
本投稿は、2026年10月29日 11時18分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







