【固定資産税の請求先】登記簿謄本上では所有者分割されているが分筆未実施の場合
頭書の件、恐れ入りますがご教示いただきたく、メールをさせていただきます。
ある土地の登記簿謄本にて所有権の持ち分がA氏(8分の5), B氏(8分の1), C氏(8分の1), D氏(8分の1)となっております。
なお、現状の登記簿謄本は1つであり、分筆は実施しておりません。
現在、当該土地の使用・居住実態がある者としてA氏が固定資産税の請求を受けており、当該土地全体(8分の8)に相当する固定資産税を支払っております。
それ自体はA氏も納得しており問題は無いのですが、お聞きしたいのはA氏が他界した場合です。
A氏には妻と子供がおりますが、仮にA氏が8分の8の土地を所有していた場合には、妻や子供は相続放棄をすれば固定資産税の負担は一切無しと認識しております。
しかし、今回のケースのように「A氏に8分の5の所有権しかないのに、B氏,C氏,D氏の所有分も含めた8分の8に相当する固定資産税の支払いを行っている」場合、以下(1),(2)の点を憂慮しております。
(1) A氏の妻や子供が相続放棄をしても、A氏が所有していた8分の5の土地しか放棄出来ないのではないか?
(2) そうなれば、B氏+C氏+D氏が所有する合計8分の3に相当する固定資産税は放棄することが出来ず、A氏の妻や子供に請求が来るのではないか?
従って、以下(a),(b)の点をご教示いただきたく宜しくお願い致します。
(a) 上記(1),(2)の理解は正しいでしょうか?もし正しくない場合、具体的に誰に固定資産税の請求が行くのかをご教示願います。
(b) もし上記(1),(2)の理解が正しい場合、どのような手続きを実施すれば、A氏の妻や子供に固定資産税の請求が来なくなるかにつきご教示願います。
やはり、A氏が他界する前に分筆を完了させて、登記簿謄本をA氏(8分の5),B氏(8分の1),C氏(8分の1),D氏(8分の1)の4つに分けるしかないのでしょうか?
その他に方法があればご教示願います。
恐縮ながら、ご回答いただけますと有難く、どうか宜しくお願い申し上げます。
税理士の回答

伊香昌重
A氏の妻や子供が相続放棄をしても、A氏が所有していた8分の5の土地しか放棄出来ないのではないか?
→ご指摘のとおりです。なお、民法上の相続放棄は土地だけでなく、現金等すべての財産の相続権を放棄しなければできません。
そうなれば、B氏+C氏+D氏が所有する合計8分の3に相当する固定資産税は放棄することが出来ず、A氏の妻や子供に請求が来るのではないか
→本来固定資産税は台帳課税主義なので、登記名義の変更を行わなければ相続放棄したとしても、従来どおりA氏あてに請求がくるものと思われます。
共有物件の場合は所有者の代表者と思われる人に固定資産税の請求がきますので、代表者が税金を支払い、共有者に別途持ち分相当の税金を請求すれば良いと思います。
共有者に請求するのが事実上困難なのであれば、分筆しておけば良いと思います。
良く理解出来ました。本当にありがとうございました。
本投稿は、2022年01月16日 05時54分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。