タックスヘイブンの銀行口座に納められている滞納者のお金を税務署等が把握することは可能?
タックスヘイブンの銀行口座に納められている税金滞納者のお金を税務署や市町村、都道府県等の課税部門が把握することは可能なのでしょうか?
可能な場合該当する法律や条文もお教えいただけると幸いです。
税理士の回答

久川秀則
こんにちは、
例えば、どこのタックスヘイブンのどこの銀行に預金があるのか、税務官署に情報があるのであれば、その端緒情報に基づいて、情報交換条約に基づいて、照会をすることはできると思います。
しかし、強制的に差し押さえして、徴収することは、日本国外において、日本の行政当局が強制権を発動することになるので、それは不可能です。
税務署においては、上級官庁の国税庁を経由して、情報交換まではできますが、地方自治体においてそこまでできる体制にあるとは聞いたことがありません。
主要国同士であれば、徴収共助条約により、お互いに、滞納税金を徴収してあげよう、という制度が個々数年整ってきておりますが、タックスヘイブン国との間では、現状、情報交換条約にとどまっているというのが実情です。
相手国との間の事項は、二国間租税条約、二国間情報交換条約にしたがって、行われます。国内法である所得税法、法人税法などにおいては、他国との情報交換などに関する条文は設けられておらず、租税条約などを執行するための手続き法として、いわゆる租税条約に関する実施特例法(実際は長い法律名です)により、手続きが定められます。
タックスヘイブンに所在している銀行、ということが前提のご質問と思いますが、実際は、タックスヘイブン国で設立し、そのペーパーカンパニーなどの預貯金口座などは、シンガポールや香港などに所在する銀行に解説されることが多いのです。従いまして、もう一段、現実は複雑であり、タックスヘイブン国自体に置かれている銀行口座よりは、シンガポールや香港に所在している銀行口座のほうが、徴収可能性はあると考えられます。
滞納税金の徴収については、国内にある財産については、国税徴収法により、税務署は直接差し押さえをすることが可能です。滞納税金の徴収のためには、国内にある財産をまず差し押さえすると思います。
取り急ぎ回答とさせていただきます。
>照会をすることはできると思います。
照会して確認できても差し押さえることができないとなると実質無意味なのでしょうか?
また、国内に財産らしい財産が何もない場合は徴収は諦めるしかないのでしょうか?
その上で時効をむかえることになると滞納者を追求することも不可能になりますか?

久川秀則
こんにちは。
日本国として、領土領海の中、以外で、主権を行使していくことは、困難。米国だって、他国の中では米国の法律は施行されていないのですから、他国の中で米国の公権力を講師することはできません。日本だけではありません。
例えば、典型的なタックスヘイブンである、ケイマン諸島との租税協定は、常有方向環境亭です。
お互いに滞納税金を徴収し合いましょう、という徴収共助条約は、日本において発効した時点で30数か国、いわゆるタックスヘイブン国は含まれていないので、タックスヘイブン国で日本の滞納税金を徴収してもらうことは困難です。
国内に差し押さえる財産がなく、徴収共助条約の加盟国でない国にある財産については、徴収する方法がないというのが現実です。
あと、時効は滞納後5年間で完成してしまいますので、時効中断の方法はいくつかありますが、具体的な徴収方法がなければなかなか徴収できないということになるでしょう。
取り急ぎ回答とさせていただきます。
本投稿は、2017年04月26日 23時18分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。