祖母の持ち家の売却にかかる税金の節税
【祖母名義の不動産の売却タイミングについて相談したいです】
祖母は現在老人ホームに入居しています。
私は孫で、祖母の名義の戸建てに住んでいます。
私の住んでいる戸建て(祖母名義の戸建て)を売却しようと考えています。
相続について、私を含めた孫複数人のみを相続人とする予定です(子(私の親)は相続人としない)。既に遺言書は預けてあるそうです。
戸建てを売却するとき、以下の2パターンでどちらの方が手残りが多くなるのでしょうか。
1. 祖母の存命中に売却し、所得税などを祖母が支払った後、残りの金額を孫に生前贈与する
2. 祖母が亡くなった後、不動産を売却する。売却した金額を相続人が相続する。
不動産の売却金額や孫(相続人)の人数に拠るかと思いますが、計算しやすい値を当てはめていただき、このような場合はこの方が節税になる、などをお聞きしたいです。
税理士の回答

坪井昌紀
近くの専門家に計算を依頼してシミュレーションしてみる領域だと思います。
回答してもらえる先生方もあるかもしれませんが、専門家の多くは、この結果を算出することを生業とされていると考えられます。
待っても回答がない場合は、そのようにされた方が良いと思います。
税負担の比較としては、原則として②「祖母の死後に相続し売却する」方が手残りが多くなる傾向にあります。
仮に不動産の売却価格を3,000万円、取得費を500万円とし、①祖母存命中に売却した場合、譲渡所得2,500万円に対し住民税・所得税・復興特別所得税を合わせた約20%強(約500万円超)の譲渡税が祖母に課されます。その上で、残額を孫に生前贈与すると、**贈与税(基礎控除110万円を超える部分に最大55%)**が課され、合計の税負担は非常に大きくなります。
一方、②祖母の死後に相続した場合、取得費加算制度(廃止予定だが時期未定)や相続時の「取得費の引継ぎ」により、売却益が圧縮可能です。さらに、「相続税評価額」で不動産を引き継ぐため、市場価格との差益を所得税上繰り延べでき、贈与税のような重課税も回避できます。
従って、制度上・税務上ともに、祖母の死後に相続し売却する方が、税負担を抑えた合理的な選択となります。個別の事情により変動もあるため、最終判断は税理士にご相談されることを推奨いたします。
本投稿は、2025年05月14日 22時00分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。