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資産管理会社の間での資産移転について(株券消費貸借契約と適格現物分配の利用)

個人の株式・投信での運用額が大きくなってきた事から、子世代への資産移転を念頭に(NISAを除き)法人での運用に移行する事を検討しています。

想定としては以下の通りです。
X社:親…普通株0.5%(議決権100%)、子…優先株99.5%(議決権0%)
ここに1.0億円の金銭を貸付け、25年程度運用します。
取らぬ狸のナントカで、25年後には時価で6.0億円に成長しているとします。

25年後には子供は30代半ばになっており、孫世代の家族形成もひと段落ついているとします。
そこで同じスキームを再現するために
Y社:子…普通株0.5%(議決権100%)、孫…優先株99.5%(議決権0%)
を設立して、できるだけX社の資産を毀損せずにY社に異動するにはどういう方法があるかと考えています。

もっとも単純に、子供がY社に保有する株式を売却するケースでは、(非公開会社の株価算定方法にもよりますが)数千万円の課税が発生する事が想定されます。

そこで、以下のようなスキームを考えました。
①親・子供とY社は株券消費貸借契約を締結し、親・子供が保有するX社株券をY社に貸す。これにより、X社はY社の完全支配関係となる。
②X社からY社に対して適格現物分配を行い、X社の保有する現物資産(金融資産や不動産など)を全てY社に異動する。
③Y社はX社の株式を親・子供に返却する。
④X社を解散する。

証券会社で貸株サービスを利用して株式を「貸す」場合、貸出期間中は株主としての権利を喪失し、借りた側に移転するため、こういった仕組みも成り立つと思うのですが、いかんせん、複雑なスキームをドンピシャで解説している記事なども見つからず・・・というところです。

現時点では頭の体操ですが、お付き合いいただければと思います。

税理士の回答

ご質問のスキームについては、株式消費貸借により一時的に株式の所有権がY社へ移転するとしても、それだけで②の現物分配を適格現物分配として処理できるとは考えにくいと思います。
適格現物分配は、現物分配法人と被現物分配法人との間に完全支配関係があることなどが要件となります。この完全支配関係は議決権割合ではなく発行済株式等の保有関係によって判定されるため、無議決権の優先株式も判定対象になります。

ご質問の場合、X社株式をY社へ一時的に貸し付け、現物分配後に直ちに親・子へ返却することが当初から予定されています。このような一連の取引について、形式的に現物分配時点だけを切り取ってY社による完全支配関係があるとして適格現物分配を適用できるかは、慎重な検討が必要です。

また、X社の資産をY社へ移転した後にX社を解散するのであれば、法人税だけでなく、株主側のみなし配当・株式の譲渡所得、種類株式の評価、さらに親・子・孫間の経済的利益の移転について贈与税の問題も含めて検討する必要があります。

したがって、このスキームについては「株式消費貸借を挟めば適格現物分配として無税で資産移転できる」とは判断せず、実行するのであれば個々の契約内容・株式の権利関係・取引目的を含め、事前照会も視野に入れて検討すべき事案と考えます。

ありがとうございます。
AIに調べさせても過去にこういった事例は見つからず、さて、アリなのかナシなのかと思っていたのですが、やはり不透明な部分があるという事でしょうかね。

「事前照会」というのは初めて知りました。
親子資産管理会社から子孫資産管理会社に資産を移管するのはまだ当面先のことではあるので、子供に残す予定の「会社の畳み方マニュアル」にその旨記載しておこうと思います。

ご認識のとおり、前例が見当たらないというだけでなく、もう一点注意が必要と思います。
ご提示の方法では、適格現物分配の完全支配関係を満たすために一時的に株式消費貸借を行い、現物分配後に株式を返却することが当初から予定されています。
そのため、仮に形式上は適格現物分配の要件を満たすとしても、組織再編税制を利用して税負担を不当に減少させるものとして、法人税法132条の2(組織再編成に係る行為又は計算の否認)の適用が問題となる可能性があります。
特に、株式消費貸借を行うことについて税負担の軽減以外の合理的な事業目的があるかどうかは重要な検討事項になると思います。
将来実際に実行される場合には、その時点の税制に基づき、税理士等への相談に加えて国税庁への事前照会も検討された方がよいと考えます。

本投稿は、2026年10月04日 15時55分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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