土地建物付き収益物件の事業継承にて、土地建物を別会社で運営するメリットデメリットについて
この度起業し、土地付き建物付き営業権を事業譲渡し、飲食店を営む予定です。
以下ご相談です。
一つの法人(株式会社)で事業継承するのではなく、同時に資産管理会社(合同会社)も立ち上げ、土地建物はこの合同会社で購入し営業権のみ株式会社で購入するのは得策でしょうか?
(要件)
※2法人は賃貸借契約を結ぶ。株式会社は合同会社に家賃収入を支払います。
※二つの法人の代表はどちらも私本人です。他役員無し。
※家賃は固定資産税相当額ではなく、少し高めに設定します。
※私本人の所得税が増えてしまうので、合同会社の役員報酬はゼロ(もしくは5万円程度)とし、家賃収入は融資の返済に回します。合同会社の収入はこの家賃収入のみ。
知人はこのほうが節税できるというのですが、決算業務や税理士費用、法人税を考えるとあまりメリットがないのではと思ってます。
個人的に思うのは以下です。認識が間違っていたらご指摘下さい。
株式会社のみのメリット・デメリット:
・店舗として資産を抱えるので、対外的に印象が良い。
・毎月の家賃支払いはなく、固定資産税(経費計上)の支払いがある。
・デメリットは無い。
2法人のメリット・デメリット
・店舗の家賃は高いが、収益が上がる店なので、利益残りの法人税節税対策になる。
・合同会社は、一定の家賃収入がある。その収入は融資返済に回り、役員報酬はゼロですが、経費として車両費交際費等を計上できる。
・数年後、万が一、事業を他社に売却する場合、営業権だけを他社に売却するだけで済む。相手もテナント店舗営業として事業を始めやすい。(土地建物を購入する資金は不要となる)営業権を売却しても、合同会社に家賃収入が入り続ける。(テナント経営を存続でき、役員報酬を設定できる)
・デメリットは、2法人の日々の会計業務や決算業務、税理士費用が必要となる。
節税というより、個人の収入アップにつながりますでしょうか?むしろ税金の方が高いでしょうか?合同会社の方で、他の不動産を取得して事業を広げていくのであればメリットはありますか?
結局この質問の回答は「わたくし本人がどうしたいか」とも思います。
今のところ、「創業時は法人一つで始めるのがベターだが、数年後、やっぱり会社分けとけばよかったなー。」と思うんだろうな。 と結論付けています。
税理士先生のご意見をよろしくお願い申し上げます。
税理士の回答
意見が分かれるところだと思いますので、全くの個人的見解になりますが、当該飲食店以外にテナントがないのであれば、株式会社のみでよいのではないかと考えます。
上記の二法人だと、家賃設定のところで課税当局とトラブルになる可能性は否定できず、そこまでして節税しなければならないほどの課税所得が飲食店であげられるかどうかは、よくわかりませんが、現下の社会情勢に鑑みると、微妙なところだからです。
営業権だけを売却できるかどうかは、契約の問題であり、法人の問題ではないと考えられます。一つの法人でも、契約により、営業権のみを売却し、土地建物は法人に残すことが可能であると思われます。
唐澤先生
ありがとうございます。
法人単体にしようと思います。
大変参考になりました。
本投稿は、2021年04月17日 23時44分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。