海外留学前の個人事業主としての開業について
①日本の住民票も抜いてアメリカに移住(留学)でも、ネットで日本在住の方向けにビジネスをする場合は、個人事業主として開業届は出してから行くべきでしょうか?
②日本の住民票を抜いてアメリカ移住の場合は個人の収入等は日本ではなくアメリカで確定申告するのは知っているのですが、開業届を提出した後個人事業主としても日本での確定申告はあくまでも日本にいたときに得た収入だけで確定申告をすると解釈していますが、それで合っていますか?
(クライアントがこれからつくという感じで、実際の収入はアメリカで発生することになります。5月で会社を退職し現在は無職となります)
来月からアメリカに2年ほど留学の予定ですが、現地ではネットを使ってフリーランスとしてWEBデザイン、バナー作成やコーチングを日本在住の方向けに有料で行うことを考えております。料金等は利便性も考え日本の口座に入金いただくつもりでいます。ご教示のほど、宜しくお願いいたします。
税理士の回答

米森まつ美
2年の留学予定で出国しますので、出国の翌日から貴方は日本の非居住者、アメリカの居住者となります。
非居住者は、日本国内で得た所得(収入)のうち特定の所得(国内源泉所得)のみ日本国で課税されます。(課税の方法は、源泉分離、源泉後総合課税など)
貴方が、日本国内に恒久的施設(支店・代理人)がない前提で説明します。
なお、恒久的施設があった場合や、不動産収入などがある場合は、税務署への開業届出や納税管理人の届出が必要になります。
ご質問では、貴方の日本から得る所得のうち「WEBデザイン」や「バナー作成」などが、著作権の譲渡又は使用料に該当する可能性があります。
また、コーチングは日本で行う場合のみ課税の対象となります。
ただし、日米租税条約上、著作権の譲渡も使用料も免税になりますので、租税条約の届出書、特典条項に関する付表、居住者証明書を支払者をつうじて支払前に税務署に提出することにより課税されません。
回答として
日本国内に恒久的施設がなく、国内源泉所得がご質問の所得のみであるいとした前提であれば
① 開業届出書は特に必要ありません。
② 確定申告書の提出義務はありません。
参考までに、国税庁HPの質疑回答のサイトを紹介します。
非居住者の課税のしくみhttps://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2873.htm
国内源泉所得の範囲
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2878.htm
租税条約の届出書の提出 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2888.htm
租税条約の届出書(使用料等の様式)
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/joyaku/annai/pdf2/252.pdf
特典条項に関する付表(米国・様式)
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/joyaku/annai/pdf2/266.pdf
丁寧にご説明いただき、お陰様でしっかり理解できました。誠にありがとうございます。
本投稿は、2019年06月10日 07時48分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。