少額減価償却資産の特例を使った資産を売却したときの所得
個人事業主です。少額減価償却資産の特例を使って全額を減価償却費とした資産を売却したときの所得の種類についてお尋ねします。
タックスアンサーNo. 3105では、譲渡所得以外の所得として課税されるものの中に、10万円未満の資産や一括償却資産の記載はありますが、少額減価償却資産の特例を使った事業用資産は載っていません。
これは、少額減価償却資産の特例を使った事業用資産は譲渡所得になるということでしょうか?
税理士の回答
結論として、「中小事業者の少額減価償却資産の特例」を適用して、取得価額の全額を必要経費にした事業用資産を売却した場合、原則として譲渡所得になります。
◆事業で使っていた資産でも、売却すれば原則は譲渡所得です
所得税では、資産を売却して生じた所得は、原則として譲渡所得として扱います。
これは、事業で使っていた固定資産についても同様です。
たとえば、事業で使用していた機械や器具備品などを売却した場合でも、「事業で使っていたから事業所得」となるわけではなく、原則として譲渡所得になります。
そのうえで、一定の資産については例外的に、事業所得または雑所得として扱うルールがあります。
◆10万円未満の資産・一括償却資産は例外です
国税庁のタックスアンサーNo.3105では、譲渡所得にならず、事業所得または雑所得になるものとして、
・取得価額が10万円未満の減価償却資産
・一括償却資産として必要経費に算入した減価償却資産
などが挙げられています。
ただし、「業務の性質上基本的に重要なもの」に該当する場合は、この取扱いから除かれます。
◆少額減価償却資産の特例を使った資産は、この例外に含まれません
一方、「中小事業者の少額減価償却資産の特例」を適用した資産は、上記の例外には含まれていません。
したがって、この特例を使って取得時に全額を必要経費にしたという理由だけで、売却代金が事業所得になるわけではありません。
通常の事業用固定資産と同様に、原則として譲渡所得として扱うことになります。
◆譲渡所得の取得費について
この特例を適用して取得価額の全額を必要経費に算入した場合、その必要経費に算入した金額は、譲渡所得の計算上の取得費には残りません。
そのため、たとえば売却代金が10万円、売却手数料が1万円であれば、原則として9万円が譲渡益の計算の基礎になります。
なお、実際の取扱いは、資産の種類や取得価額、取得時期、売却時期、棚卸資産に該当しないかなどによっても変わる可能性があります。
ご質問の資産が通常の事業用固定資産であり、中小事業者の少額減価償却資産の特例を適用したものであれば、原則として総合課税の譲渡所得として処理するという理解でよいと考えます。
本投稿は、2026年09月27日 01時02分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。






