ギャンブルで得たお金と税金…事業所得?雑所得?それとも一時所得?

競馬、競艇、オートレースなど、日本では法律で認められたギャンブルがいくつかあります。こうしたギャンブルで出た儲けは、ジャンボ宝くじなど当せん金付証票法で非課税とされているもの以外は、課税対象になり、その内容によって「事業所得・雑所得・一時所得」に区別されます。
そこでこのページでは、ギャンブルで得たお金にかかる税金について解説します。
目次
ギャンブルには合法と違法のものがある
ギャンブルには法で認められたもの(合法ギャンブル)と、そうでないもの(違法ギャンブル)があります。いずれの方法でも儲けが出れば課税対象です。
公営ギャンブルや民営ギャンブルは合法
合法として認められているギャンブルには、「公営ギャンブル」や「民営ギャンブル」があります。
公営ギャンブルには競馬や競輪などの公営競技が該当します。そのほか、宝くじやサッカーくじなども公営ギャンブルとして認められています。
民営ギャンブルにはパチンコやパチスロがあります。風俗営業法によって一般に認められているギャンブルです。
合法と認められないギャンブルは違法
法律によって合法と認められているギャンブルを除けば、一般的には全てが違法ギャンブルです。賭け麻雀や、野球賭博などには根拠法がなく、違法賭博として刑法により禁止されます。
なお、仮に違法賭博で収益を得た場合にも、税務の観点から言うと確定申告は必要です(※違法賭博を推奨するものではなく、あくまで法律上は確定申告しなければならないという解説です)。
ギャンブルと所得の関係について
ギャンブルによって得た収益は、その性格によって3つの所得に分類できます。
ギャンブル収入の多くは「一時所得」
ギャンブルで収益を得た人のほとんどは、「一時所得」として申告することになります。
なお、「営利目的ではないこと」、「継続的に収益を得ていないこと」が条件になります。税務当局もギャンブル収入は一時所得として扱うことが多いです。
事業として得ていたら「事業所得」
まれな例だとは思いますが、公営ギャンブルや民営ギャンブルで生計を立てているのであれば、これは「事業所得」として扱われる可能性があります。
ただし、副業としてギャンブル収入がある場合は「雑所得」とも判断されかねません。あらかじめ税務署で確認を取っておくことが大事です。
事業でも一時でもないなら「雑所得」
事業所得でも、一時所得でもないギャンブル収入であれば、「雑所得」として扱われる可能性があります。
継続的に収益こそ出ているものの、あくまで趣味・副業の範囲であれば雑所得として申告する必要があるでしょう。
ギャンブル収入が「事業所得」に該当する場合
ギャンブル収入が事業所得に該当するのであれば、税金との関係は次のとおりです。
事業所得は「収入額-経費」で算出する
事業所得は総収入金額から必要経費を差し引いた金額になります。ギャンブルの場合は、収入額には「配当金(払戻金)」が当てはまり、経費には「購入金(賭け金)」が該当します。
最大で65万円の控除も受けられる
事業所得であれば青色申告が可能です。青色申告決算書として提出すれば、最大で65万円の控除を受けられます。これにより所得金額を抑えることもできます。
事業所得にすると「損益通算」ができる
もしギャンブル収入が事業所得に当てはまるなら、「損益通算」を使えます。これはギャンブルが副業である場合に、給与所得と合算した所得から損失分を差し引ける手続きのことです。これによって損失が出た際に所得税を抑えられます。
ギャンブル収入が「雑所得」に該当する場合
ギャンブル収入が雑所得に該当する場合の税金は、下記のとおりです。
雑所得は「収入額-経費」で計算する
雑所得も、事業所得と同様で総収入金額から必要経費を差し引いて算出します。ギャンブルなので配当金から、購入金を引いた金額が雑所得として扱われます。
雑所得には控除も損益通算もない
雑所得には控除制度がありません。また、損益通算もないように決まっています。副業でギャンブル収入がある場合には、雑所得に対してそのまま所得税が課されます。
ギャンブル収入が「一時所得」に該当する場合
先述のとおりギャンブル収入の多くは一時所得として扱われます。一時所得と税金の関係は下記のとおりです。
一時所得は「収入額-経費-50万」で算出する
一時所得も他の所得と同様で、総収入金額から必要経費を引いて計算します。一時所得と他の所得の違いは、一時所得であれば最高で50万円の特別控除額が設けられている点です。これにより50万円までは非課税として扱われます。
ただし、一時所得における「必要経費」とは、その収入を得るために支出した金額とされている点は注意が必要です。
つまり、経費にできるのは、「その収入を生じた行為をするため、又は、その収入を生じた原因の発生に伴い、直接要した金額」に限るとされており、例えば、競馬であれば、当たり馬券の購入代金のみが経費となり、はずれ馬券の購入代金は経費となりません。
年間収支がマイナスでも確定申告は必要?
ギャンブル収入の年間収支がマイナスでも、確定申告が必要になるケースもあります。
具体的に言うと、一時所得額が50万円超の場合です。必要経費はあくまで「勝券」に限られます。そのため、負け越しても、一時所得が50万円を超えれば確定申告は必要になるのです。
おわりに
ギャンブル収入はその性格により、事業所得、雑所得、一時所得のいずれかで扱われることになります。特別な場合を除いては一時所得となり、最高で50万円までは特別控除額が設けられていることを覚えておくといいでしょう。
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