RSUの課税%はどう計算するのか?
これからRSUの申請をしようと考えていますが、源泉徴収票の控除後金額を課税所得として、そこにVest時の金額を加えた合計金額がどの課税%になるか、で判断すればよいのでしょうか?すいませんがアドバイスをお願いいたします。
税理士の回答

外資系企業等にお勤めの方のRSU等のインセンティブのご相談についてある程度の経験値があります。RSUは権利付与(Grant)、権利確定(Vest)、株式売却(Sell)の流れになっており、課税の対象となるのは権利確定と株式売却のタイミングとなり、それぞれ給与所得及び株式の譲渡所得(分離課税)での計算と確定申告が必要と考えます。
権利確定(Vest)時の給与所得の計算について、「源泉徴収票の控除後金額を課税所得として、そこにVest時の金額を加えた合計金額がどの課税%になる」のではなく、会社から交付された源泉徴収票に記載された「給与収入の金額」にVest時の金額を加えた合計金額を給与総額として、給与所得控除後の金額(給与収入が850万円超の場合は195万円を控除した額)を求めて、「所得控除額の合計」を差し引いて、この課税所得額に応じて決定される所得税率で源泉徴収税額を算出し、源泉徴収票に書かれた「源泉徴収税額」をとの差額が追加納税額となります。要は通常の月々の給与とRSUで付与利確した株式の相当額が給与収入として課税されるとお考え下さい。
なお株式売却(Sell)の場合には株式の譲渡所得(分離課税)での計算と確定申告が必要となりますのでご注意ください。
税金の計算についてはRSUで付与された株式の株価及び外貨建て等(米ドル等)の場合は為替レート等から計算する必要がありますので、権利確定(Vest)時及び株式売却(Sell)時の当該株式市場価格(たいていの場合はリリース報告で確認できます)と為替レート(日本円換算の金額で都市銀行のサイトで確認できます)を控えておくようお勧めします。
ありがとうございました。もう2点教えてください。お手数をおかけします。
1)E-TAXでは期限を過ぎた過去4年分(2018年から2021年)は各年度ごとに申告をすることになるのでしょうか?それとも今年の確定申告も含めた5年分を1回でまとめて申請するのですか?
2)期限を過ぎた過去4年分(2018年から2021年)については、自己申告で5%を追加しないといけないということを聞いています。この金額はE-TAXではどこへ記入すればよいのでしょうか?
3)Sell金額 - Vest金額がマイナスの場合には税金の対象にはならないと思いますが、いわゆる繰り越しという制度はどういうことなのでしょうか?(特に過去4年分で1年目はプラス、2年目から4年目はマイナス、5年目がプラス、となっています)

1)「5年分を1回でまとめて」ではなく「期限を過ぎた過去4年分(2018年から2021年)は各年度ごとに申告をすることになる」とお考えください。
2)「期限を過ぎた過去4年分(2018年から2021年)について」は、自主的な期限後申告であっても無申告加算税として本税額の5%を追加納付する必要がありますが、申告書において加算税について記入することはなく、税務署もしくは金融機関の納付書で行うか、電子納税で行うかになります。納付がない場合には税務署から通知(納付金額記載の納付書あり)がくることになります。本税額によっては延滞税も加算されますので、税務署でご相談いただくことをお薦めします。
3)「Sell金額 - Vest金額(-売買手数料等)がマイナスの場合には税金の対象にはならないと思いますが、いわゆる繰り越しという制度は」株式等の譲渡損失の繰越控除制度として1年間の通算損失を翌年から3年間繰り越すことができます。つまり上場株式等を譲渡して生じた損失のうち、その年に控除しきれない金額は、翌年以降3年間にわたり上場株式等の譲渡益から控除することができます。この場合には、①譲渡損失の生じた年分の所得税について「譲渡損失の金額の計算に関する明細書」等一定の書類の添付がある確定申告書を提出すること②その後において連続して確定申告書を提出していること ③繰越控除を受けようとする年分の確定申告書に「繰越控除を受ける金額の計算に関する明細書等」の一定の書類の添付があること、以上の要件を満たすことが必要です。この場合の「確定申告」には、「期限後申告」が含まれますので、①の当初の確定申告をしなかった場合の他に、②の連続して行う確定申告をしなかった場合であっても、期限後申告によりこの適用を受けることができます。
1)2)3)と合わせて複数年での譲渡所得(繰越控除含む)と加算税及び延滞税とかなり複雑な計算や手続きになりますので、税務署もしくは専門の税理士にご相談いただくことをお薦めします。
わかりやすい回答ありがとうございました。ざっそく対面で税務署で相談をしたいと思います。
本投稿は、2023年02月13日 15時37分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。