知人に現金を手渡しし、代理で仕入てもらった商品の領収書を紛失した場合の対応
複数の知人に現金を手渡しし、代理で購入してもらった商品の領収書を複数件分紛失してしまいました。
この場合、紛失分の代金について経費として計上する事は出来ないでしょうか?
領収書を紛失しても出金伝票に記載すれば経費として計上可能と別の方の質問欄で拝見しましたが、自身ではなく一般人の知人に代理購入してもらったものなのでこの場合でも応用可能か分からず質問させて頂きました。
可能な場合、支払い先の欄に知人の氏名か購入先店舗名どちらを記入すれば良いかご教示下さい。
以下、その他詳細となります。
・日付、商品名、金額、購入先店舗名、知人の氏名は分かっている。
・送金等はしていないので領収書以外の証拠がない。
ご覧頂きありがとうございました。
ご回答頂けますと幸いです。
よろしくお願い致します。
税理士の回答

(回答内容)
1 仕入代金の領収証を紛失した際の計上可否について
他の保存書類から明らかな場合は計上可能と考える。
※取引相手の作成書類の保存が望ましい。
2 仕入れ代金の領収証を紛失した際に、「出金伝票」を保存書類に該当するか
自己が作成しただけの「備忘記録」であり、保存書類には該当しないと考える。
※取引相手の作成書類の保存が望ましい。(宛名が表示されないレシート等、取引先が再発行することが困難な場合を除く)
3 (補足)買付受託者(知人)の作成書類について
知人との委託買付取引と考えた場合、以下の仕訳が発生します。
買付委託時: 委託買付10,000/現金10,000・・・前渡現金
買付時: 仕入8,000/委託買付8,000・・・仕入領収証
精算時: 現金1,000/委託買付2,000・・・おつり現金
支払手数料1,000/ ・・・委託手数料
上記の例では、前渡現金10,000円の預り証(受託者の知人作成)、委託手数料1,000円の領収証(受託者の知人作成)も「保存書類」のはずです。
※仕入高8,000円は上記前渡現金10,000円-おつり現金1,000-委託手数料1,000円の計算により逆算的に「金額的」には証明できます。
4 (結論)
上記の「保存書類」を備えていない場合、「税務調査」等の機会により①所得税申告における「必要経費否認」②消費税申告における「仕入税額控除否認」の可能性があることとなります。したがって、領収証の再発行が可能であるなら、事前に行っておくことをお勧めします。
お忙しい所早速ご回答頂きありがとうございます。
内容を拝見させて頂きました。
そちらを踏まえた上で立て続けに質問失礼致します。
「1.他の保存書類から明らかな場合は計上可能と考える。」
→委託買付依頼にあたり、金額や商品名と言ったメッセンジャーアプリでのやりとりの履歴ならばあるのですがこれでは証明の手助けにはならないでしょうか?
「2.(宛名が表示されないレシート等、取引先が再発行することが困難な場合を除く)」
→領収証の再発行は難しいです。この場合は自己が作成した出金伝票を保存書類としてもいいでしょうか?
何度も申し訳ありません。
引き続きよろしくお願い致します。

(回答内容)
1 間接証拠となる可能性はあると考えます。
取引内容を裏付けるものは全て書類として保存しておくべきと考えます。最終的な判断は税務調査によるものとご理解ください。
2 出金伝票は、領収証の発行が受けられないような取引(例えば自動販売機等)の際に備忘記録として自己が作成するものです。本件のように領収証を紛失した際においては、保存書類には該当しないものと考えます。税務調査では、保存書類で取引内容の裏付けが不足していると判断された場合に①反面調査を実施する②反面調査でも確認できない場合は「必要経費否認」等が想定されます。したがって、本件のように領収証等の「直接証拠」のみならず取引の一連で作成された書類についても、「間接証拠」となり得るため保管しておくべきと考えます。
お陰様で解決致しました。
ご丁寧なご回答をして頂きありがとうございました。
本投稿は、2023年11月09日 18時53分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。