財産債務調書の必要有無について
税務署の財産債務調書制度(FAQ)のP7より抜粋
『その年分の退職所得を除く各種所得金額の合計額が 2,000万円を超え、かつ、その年の 12 月 31 日において
その価額の合計額が3億円以上の財産又はその価額の合計額が1億円以上の国外転出特例対象財産を有する場合』
上記条件の方が、財産債務調書の提出が必要とあります。
質問:
確定申告の画面で、『所得金額の合計(総合課税)』の合計額2000万を超えている場合に該当するのでしょうか?
それとも、『公的年金等以外の合計所得金額』の金額が2000万を超えている場合なのでしょうか?
自分の場合は、『所得金額の合計(総合課税)』の部分は1930万なので、対象外と思っています。
よろしくお願いいたします。
税理士の回答

石割由紀人
ご提示のFAQの記述にある「退職所得を除く各種所得金額の合計額」とは、所得税法上の合計所得金額を指します。
確定申告書におけるどの金額を指すかという点ですが、「公的年金等以外の合計所得金額」ではなく、「所得金額の合計(総合課税)」に、退職所得の金額を加算する前の金額で判定します。
ご質問のケースでは、「所得金額の合計(総合課税)」が1930万円とのことですので、退職所得がなければ、2000万円を超えていないため、財産債務調書の提出要件である所得金額の条件は満たさないことになります。
ただし、財産債務調書の提出義務は、所得金額の条件に加えて、12月31日時点の財産価額の合計額が3億円以上であるか、または国外転出特例対象財産の価額の合計額が1億円以上であるかという条件も満たす必要があります。これらの財産価額の条件も満たすかどうか、改めてご確認ください。
お忙しいところ、丁寧なご説明ありがとうございます。
可能であれば、追加で1点確認させてください。
ご質問のケースでは、「所得金額の合計(総合課税)」が1930万円とのことですので、退職所得がなければ、2000万円を超えていないため、財産債務調書の提出要件である所得金額の条件は満たさないことになります。
お知らせしておりませんでしたが、2024年に『退職金は1300万円』ほどあります。
そして、国外財産調書(合計表)に関しては、海外有価証券が1億円くらいあるので、昨年も
提出しております。
今回の回答で退職所得がある場合には、2000万円を超えることになるので、私の場合には財産債務調書の提出要件になるのでしょうか。ちなみに、国内の財産は、3000万未満です。
よろしくお願いいたします。

石割由紀人
所得金額の判定
「所得金額の合計(総合課税)」1930万円 + 退職所得1300万円 = 3230万円
合計所得金額が2000万円を超えるため、所得金額の要件は満たします。
財産価額の判定
国外財産が1億円超であるため、財産価額の要件も満たします。
所得金額と財産価額の両方の要件を満たすため、財産債務調書の提出が必要となります。
国外財産調書は昨年提出済みとのことですが、財産債務調書は別の書類ですので、ご注意ください。
本投稿は、2025年02月04日 15時49分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。