トレーディングカードの売却に関する確定申告について
10-20年程前にコレクションしていたトレーディングカードを年初からフリマアプリで処分しています。売値は1枚数千円から2万円程度です。
結果として現在7月末までにおよそ40-50万円の所得を得ました。この場合は確定申告が必要になるのでしょうか。
税理士の回答

松田光弘
確定申告が必要かどうかは、質問主様がそのトレカの売却収入以外にどのような収入がいくらあるかによって変わります。
仮に、質問主様が給与収入を得ており、それが給与所得控除と基礎控除を合わせた額(いわゆる160万の壁)を超えているという前提でお話しします。
この場合、本件の経緯を考慮すればトレカの売却収入は雑所得に該当します。カードを売却して得た収入の額から、カードの購入費用を必要経費として収入から差し引いて計算した結果が所得の額になります。
その所得の額が、年間を通して20万円を超えるなら確定申告が必要です。
ただし前述の前提が変わるのであれば違う判断になりますのでご注意ください。
松田先生
ご回答いただきありがとうございます。
給与所得も得ており160万の壁も超えている額です。
追記で質問失礼致しますが、
「売却額が1枚30万円以下の場合、生活用動産とみなされ非課税になる」という文言を目にしますが、私の場合は半年間続けて売却を行っているため、これに該当しないという認識でしょうか。

松田光弘
「売却額が1枚30万円以下の場合、生活用動産とみなされ非課税になる」という言説は誤りです。
正しくは次のとおりで、前提として譲渡資産が「生活に通常必要な動産」である必要があります。
「生活に通常必要な動産のうち、次のもの(一個又は一組三十万円を超えるものに限る。)以外のものとする。①貴石、半貴石、貴金属、真珠及びこれらの製品等、②書画、こつとう及び美術工芸品」(所得税法施工令25条)
そして、トレカが生活に通常必要な動産と認められる可能性は低いと考えられます。
松田先生
ご回答ありがとうございます。
期間によるものではなく、生活に通常必要な動産として認められるかというのが論点なのですね。
最後に質問させていただきたいのですが、
「トレカが生活に通常必要な動産として認められている」or「売却品がトレカではなく生活に通常必要な動産として認められているもの」であった場合は、今回の私の所得額や売却期間を考慮しても確定申告は必要ないという認識でよろしいでしょうか。

松田光弘
トレカが生活用動産に当たるか、売却品が生活用動産に当たるかということは譲渡所得の論点です。
一方で、質問主様の取引が「年初から継続的に過去に取得した資産を売却して収入を得ている」ものであるとすれば、事業規模を考慮すると事業所得には該当せず、雑所得に該当するものと考えられます。
雑所得に該当すれば、私が当初回答した通り、暦年で20万円を超える利益が出たならば確定申告が必要です。
ただし、税理士によっては以下のように判断する方もいらっしゃるかもしれません。
・質問主様が過去に取得したトレカは売るつもりなく、値上がりも期待せずに取得した娯楽のための道具であって、生活用動産(見て楽しむ書画みたいなもの?)である
・質問主様が年初からトレカを売却しているのも、トレカがたまたま不要になったからであって、高く売れそうな時期や相手を狙って取引を行っているわけでもない。したがって、トレカの売却による利益は雑所得でなく譲渡所得であると考えられる。
・1枚1枚のトレカの売却価額は30万円以下であるから譲渡所得は生じない。
つまり、私は雑所得に該当すると考えますが、そうではなくて譲渡所得に該当するという判断もありえるかとは思います。
譲渡所得で、生活用動産の譲渡と考えるならば確定申告は不要です。
雑所得に該当すると考えるならば確定申告は必要です。
事実認定によって判断が変わるということです。
松田先生
ありがとうございます。勉強になりました。
本投稿は、2025年07月30日 09時34分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。