会社員の副業、コンサル代を経費に含められるのか?確定申告は必要か?について
会社員で副業をしています。
今年の確定申告は必要なのか、経費に含まれるかどうかで赤字か黒字か変わるため質問です。
2025年1月から開始、1月から収益があります。
ネットのコンテンツ販売やSNS運用が主な副業です。
月に数万円程度の売上があります。
初めての副業で、開業届を出していません。
副業としての収入のバラつきや金額の程度、会社員であることから、事業所得にはならないと判断し白色申告のつもりでした。なので今年は開業届を出していませんでした。
そして、2025年4月からマーケティングやSNS運用についてのコンサルを受けています。コンサル代1年分を毎月分割で支払っています。
ここで質問なのですが、
①このコンサル代は経費になるのでしょうか?
②もし経費になるのなら今年は赤字となります、帳簿付けと領収書の保管だけは行った上で2025年分の確定申告は不要なのでしょうか?
③来年以降の節税のため、など今年確定申告した方がいい理由があればお聞きしたいです。
④来年以降も同様の副業を続ける予定です、開業届は出した方がいいのでしょうか?
初めての副業で知識不足で申し訳ありません、よろしくお願いいたします。
税理士の回答
結論
コンサル代は、内容が副業(コンテンツ販売・SNS運用)の収益獲得に直接必要で、私用が混ざらない限り「必要経費」になり得ます。
赤字でも確定申告は「不要」とは限りません。ただし、会社員の副業が「雑所得」扱いで赤字の場合、原則として給与と相殺(損益通算)できず、申告しても税金が戻らないケースが多いです。
来年以降の節税目的なら、「事業所得として赤字を繰り越せる体制(青色)」が作れるかが鍵です。ここが作れないなら、赤字申告のメリットは薄いです。
開業届は出しても出さなくても申告は可能ですが、継続性・営利性・規模が整っているなら、早めに開業届+青色申告の検討が安全です。
理由
① コンサル代は経費になる?
なります(なり得ます)。
ただし、税務調査で揉める典型はここなので、以下を満たしてください。
コンサル内容が「副業の売上を作るため」のもの(マーケ、SNS運用、導線設計など)
私生活(趣味・自己啓発)目的が混ざらない
契約書・請求書・支払履歴・チャット履歴など、業務性の証拠を残す
もし私用要素が混ざるなら、合理的に家事按分(割合根拠をメモ)
② 今年赤字なら申告不要?
「赤字だから不要」ではありません。
会社員は原則、給与は年末調整で完結しますが、副業がある場合は通常
副業の所得が20万円超 → 確定申告が必要
20万円以下 → 申告不要(ただし住民税申告が必要な自治体あり)
ここで注意点:
副業が「雑所得」だと、赤字は基本的に給与と相殺できません(税務上メリットが出にくい)。
「収入があるのに赤字で申告しない」は、証拠・帳簿を残していれば直ちに問題ではないですが、支払調書や入金データから把握される可能性はあるので、申告要否(20万円判定等)はきちんと確認が必要です。
③ 今年申告した方がいい理由は?
メリットが出るのは主に次のケースです。
副業が「事業所得」と言える状態で、赤字を給与と損益通算して還付を受けられる
今年赤字でも、青色申告で赤字を繰り越したい(翌年以降黒字が見込める)
逆に、雑所得のままなら、赤字申告の節税メリットは基本的に薄いです。
④ 開業届は出すべき?
「節税」目線なら、出すかどうかより“事業所得として通る実態”があるかです。
継続して売上を伸ばす意志があり、帳簿も整備できるなら
開業届
青色申告承認申請(期限に注意)
を検討する余地はあります。
お忙しいなか、非常に丁寧で分かりやすい回答をありがとうございます。勉強になりました。
教えていただいた内容を踏まえ、追加でお聞きしたいことがございます。
ご回答いただいた内容を考えた結果、
2025年分は白色申告で事業所得とし、赤字申告で損益通算をする、と今のところ考えているのですが間違っているでしょうか?
(売上が毎月あること、今後も継続して利益を伸ばしたいことから事業と考え、来年以降の青色検討のためにも、遡って開業届も出します)
現在の副業は今後も続けていく予定です。
2025年分は経費なしで売上40万円程度、開業のため(副業を始めるため)のコンサル費があることで今年は赤字となっている、のが現状です。
コンサルは直接副業の売上を作るためのものであり、あと数ヶ月で終了するため現在のまま売上が続けば来年は黒字となる見込みです。
お手数おかけしますが、よろしくお願いいたします。
結論
「2025年分を白色で“事業所得”として赤字申告し、給与と損益通算する」方針は、成立する可能性はありますが、リスクも高いかと思います。
特に今回のように売上40万円に対してコンサル費が大きい(赤字の主因) 場合、税務署から “雑所得では?”(=損益通算不可) と突っ込まれやすいです。
一方で、相談者様が書かれているように
毎月売上がある
今後も継続して伸ばす意思がある
来年黒字見込み
収益化のためのコンサルである
が客観資料で説明できるなら、事業所得として通る可能性も十分あります。
理由
1) 「事業所得」として通るかの争点
税務は、開業届の有無よりも継続性・営利性・規模・独立性・記帳の整備で見ます。副業で赤字を給与と通算する場合、税務署は特に厳しく見ます(節税目的の疑いが出やすい)。
2) コンサル費の位置づけが肝
コンサル費は経費になり得ますが、調査では
私用(自己啓発)ではないか
売上に対応しているか
契約内容・成果物・実行内容があるか
を見られます。ここが弱いと「経費否認」や「雑所得扱い」になりやすいです。
実務の着地点(リスクを下げるなら)
相談者様の方針で進めるなら、以下を必ず揃えてください。
コンサル契約書(役務内容・期間・料金)
請求書・振込記録
コンサル内容の証拠(チャット、資料、添削、議事録、課題、成果物)
収益化の実行記録(投稿、販売導線、広告設定、商品ページ、改善履歴など)
月次の帳簿(売上・経費・入金・支払の対応が追える)
事業用の口座/カード(最低でも副業分の入出金が追える形)
「遡って開業届」について
開業届は提出自体は可能ですが、“遡及提出=事業所得が認められる”ではありません。税務署が見るのは、あくまで 実態と証拠です。
本投稿は、2025年12月22日 11時15分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







