社会保険の遡及加入により令和7年分の確定申告(期限後申告?)が必要な場合の延滞税について
令和7年分の確定申告(期限後申告?)が必要になった場合、令和8年3月16日の時点では原因となる事実を知り得なかったという事情を理由として、延滞税について免除・計算期間の除外等の取扱いを受けられる可能性はありますか?
【状況】
会社の健康保険・厚生年金に、令和7年4月から遡って加入することになりました。
(会社側の事情により、社会保険への加入手続きが行われていませんでした)
令和7年中は国民健康保険・国民年金を納め、会社で年末調整を受けました。
令和8年2〜3月の確定申告はしていません(当時は必要がなかったため)
令和8年夏、社会保険への遡及加入が決定。
令和7年4月以降に納めた国民健康保険料・国民年金保険料が手続きにより、還付が決定。
令和7年分の確定申告(期限後申告?)は還付通知書が届き次第行います。
【質問】
令和8年3月16日の申告期限時点では、社会保険への遡及加入も国民健康保険料等の還付の話は一切出ていません。
その時点では未来のことであり、誰も知り得ない状況でした。
このような後発的な事情による申告について、国税通則法第63条などによる延滞税の免除・計算期間の除外等の救済措置が適用される可能性はありますか。
よろしくお願いいたします。
税理士の回答
社会保険への遡及加入に伴い、国民健康保険料などの還付が発生したことによる令和7年分の修正申告(または期限後申告)において、国税通則法に基づく延滞税の免除措置が適用される可能性は十分にあります。
申告期限である令和8年3月16日の時点では知り得なかった「後発的な事実(社会保険の遡及加入)」に基づき、納めるべき税額が増加(社会保険料控除の減少)するケースにおいては、納税者の責めに帰さない正当な事由として救済の対象となるのが一般的です。
1. 延滞税が免除・除外される根拠
今回のケースでは、国税通則法に定められた以下の2つの仕組みによって、延滞税の負担が免除または大幅に抑えられます。
① 後発的事由による「正当な理由」の認定(免除)
国税庁の通達である「人為による異常な災害又は事故による延滞税の免除について」では、申告期限の時点で課税標準等の計算の基礎が確定していなかったことなどにやむを得ない事情(納税者に帰責性がない人為的トラブル等)がある場合、その事実が判明するまでの期間の延滞税を免除できると定めています。会社側の社会保険手続き漏れや、後発的な遡及加入決定はこれに該当すると判断される可能性が極めて高いです。
② 期間の特例(計算期間からの除外)
もし「期限後申告」ではなく、年末調整をベースに一度正しく申告が完了しているとみなされ「修正申告」となる場合、国税通則法第61条の特例が適用されます。これにより、法定納期限(令和8年3月16日)から1年を経過した日(令和9年3月16日)から、修正申告書を提出する日までの期間は自動的に延滞税の計算期間から除外されます。そのため、手続きが長期化しても延滞税が膨れ上がるリスクは抑えられます。
2. 今回の申告は「期限後申告」か「修正申告」か?
ご自身の状況によって、今回行うべき手続きの名称が異なります。
状況 行うべき手続き 延滞税の基本的な扱い
令和8年3月までに一度も確定申告をしていない 期限後申告 原則として全期間の延滞税がかかるが、事情を説明して税務署長へ免除申請を試みる。
令和8年3月までに医療費控除等で確定申告(還付申告)をした 修正申告 1年超の期間が除外される特例の対象となり、免除が認められやすい。
※会社で年末調整をしたのみで確定申告をしていない場合、税制上は「確定申告書を提出していない状態」にあたるため、形式上は期限後申告の扱いとなります。ただし、年末調整のやり直しという性質上、実務的な救済措置の交渉余地は十分にあります。
3. 税務署へのアプローチと今後の流れ
自動的に免除の処理がなされないケースもあるため、還付通知書が届いて申告を行う際は以下のステップを踏んでください。
1. 必要書類の準備
• 自治体から届く「国民健康保険料の還付通知書」
• 会社から新たに発行される令和7年分の「再年調済みの源泉徴収票」(または社会保険料の支払証明書)
2. 税務署への事前相談と理由書の添付
• 申告書を提出する際、窓口や書面で「会社の社会保険未加入が原因で後発的に遡及加入・国保還付となったため、申告期限時点では把握不可能だった」旨を明確に伝えてください。必要に応じて事情を記した理由書を添付します。
3. 速やかな納税
• 期限後申告(修正申告)によって追加で発生した所得税は、申告書を提出したその日が納期限となります。免除される場合でも、申告日当日に本税分は必ず納付してください。
いずれにせよ、延滞税や加算税の免除は、税務署長による判断が伴いますので、早急な申告と、税務署への相談が必要です。事前予約の上、お早めに申告してください。
本投稿は、2026年10月08日 06時36分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







