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確定申告したほうがいいのか?教えてください。

昨年株の売買(特定口座、源泉徴収あり)で127万くらいの譲渡損失になりました。
譲渡損失の繰越控除するため初めて確定申告しようと思っております。

確定申告すると平成30年度分で控除されているものがなくなってしまうものがあるのでしょうか?注意点などあればご教授いただきたいと思っております。

ちなみに今年に入り1月に家を購入、
平成30年分の源泉徴収票では生命保険控除、配偶者控除もあります。

初めての事なのでなにもわからず教えていただけると大変ありがたいです。
どうぞよろしくお願いいたします。

税理士の回答

上場株式の譲渡損は、申告で繰越し、翌年以後3年間の譲渡益・配当等との相殺ができます。
※相殺する損失がなくなるまで、毎年申告します。
この申告が、他の控除に影響することはありません。
注意点は、国保料(税)です。

国保に関しては専門外なのですが、例えば、平成31年に譲渡益が発生したとします。
平成30年の損失が127万円。
平成31年の譲渡益200万円。
この内容で来年の確定申告して、損失と益の相殺をした場合。
譲渡益が73万円残り、国保の対象になるようです。
※国保に加入されている場合には、国保の担当窓口でご確認ください。

国保に加入していなければ関係ないようですが、例えば加入されている社会保険などへの影響がないかどうかについても、あらかじめ確認されることをお勧めします。

なお、ご自宅等でネット環境がある場合には、国税庁のホームページで申告書を作成でき、印刷したものを郵送すれば完了になります。
手軽なのでお試しされることをお勧めします。夜間でも休日でも可能です。
この場合、「NTA」で検索し、アドレスがwww.ntaのサイトになります。

色々と丁寧に教えていただきありがとうございます。
加入しているものは社会保険のため確定申告しにいこうと思います。
アドバイスなどあればまたよろしくお願いいたします。

前回の回答で、誤りと一部説明不足がありました。
お詫びして訂正させてください。

平成31年以降に「譲渡益」を申告をした場合には、配偶者控除などに影響が出る場合があります。

源泉口座は申告しないことが選択できます。
申告しなければ、「所得」としてカウントされません。
しかし、申告した場合には、「所得」にカウントされることになります。
専門的には「合計所得金額」といいますが、繰越控除の前で、設例であれば、「200万円」が、他の所得に合算されます。

影響が考えられるものは、
イ 合計所得金額が38万円を超える場合
 他の人の扶養控除、配偶者控除、配偶者特別控除、障害者控除の対象となっている場合に、影響が出ます。
ロ 合計所得金額が500万円を超える場合
 寡婦(寡夫)控除に影響があります。
ハ 合計所得金額が900万円を超える場合
 申告する方が、配偶者控除や配偶者特別控除を受けている場合に影響があります。
ニ 合計所得金額が2,000万円を超える場合
 贈与税の特例で、住宅取得等資金の非課税制度が受けられなくなります。
ホ 合計所得金額が3,000万円を超える場合
 住宅借入金等特別控除(ローン控除と呼ばれているもの)が受けられなくなります。
ヘ 同じく3,000万円を超える場合
 居住用財産の譲渡損失の繰越控除が、受けられなくなります。
ト 合計所得金額が1,000万円を超えると段階的に
 平成32年分から、公的年金等控除額に影響があります。

以上のように、控除と特例への影響を考慮したうえで、来年以降の申告を検討してください。

今年の申告(損失の申告)では、合計所得金額は変動しません。
このため、国保(場合によっては社会保険)に影響があるかもしれませんが、上記の控除と特例に影響ありません。

なお、申告される方の収入の種類や金額などをお問い合わせくだされば、計算の仕方等についてもお答えします。

本当に色々丁寧にご説明いただきありがとうございます。
やはり少しわからないことが多いです。
株の取引収入6355万、譲渡に要した費用6482万、譲渡損失127万なのですが合計収入には株の取引収入が含まれるのでしょうか?
ちなみに給与所得控除の額520万、配偶者控除38万、源泉徴収額23万、社会保険金額108万です。
やはり少しわからないことが多いので確定申告あきらめようかと思っております。
もしよいアドバイスなどあればご教授いただければ幸いです。

繰り返しになる部分もありますが、整理して説明します。

◎今回の申告(平成30年分)
 株の譲渡損失の申告は、他の所得に影響しません。
 「社会保険料」への影響だけが気になります。
 これは、勤務先のことです。
 可能であれば、保険の担当者に一般論として確認してみてください。
 「これから株の売買を始めた場合、損益は保険料に影響しますか?」
という内容で。

◎来年以降の申告(平成31年分以降)
 ※将来的には制度の変更はあり得ます。
 ので、税制改正の議論には注意していてください。
 
例えば、株の譲渡で200万円の利益があったとします。
繰り越した前年の損失が127万円ありますが、「所得」(「合計所得金額」といいます。)としては、相殺前の200万円で計算します。
給与所得(給与所得控除後の金額)が520万円+200万円=720万円が「所得」となります。

前回の回答では、影響があるものを列挙しましたので分かりにくくなってしまいました。
関係ないものまで説明したため。


改めて、説明します。
関係しそうなものは、配偶者控除、贈与税の特例、ローン控除、社会保険料です。

(補足)
前回の回答のイ~トについて
イ他の人の控除対象ではありませんので関係なし。
ロ寡婦(寡夫)控除とは、母子家庭・父子家庭の話で関係なし。
ヘ住んでいる自宅を売却して、損失が発生する場合。
 予定がなければ関係なし。
 影響するのは、株の譲渡利益が2,480万円を超える場合です。
ト年金受給者でないため関係なし。

ハの配偶者控除について
 株の譲渡利益の金額で控除額が変動します。
  (譲渡利益)      (配偶者控除額) 
 380万円以下        38万円
 380万円超430万円以下  26万円
 430万円超480万円以下  13万円
 480万円超          0 円
ニ先月の自宅の購入で、父母・祖父母からの贈与を受ける場合。
 影響するのは、株の譲渡利益が1,480万円を超える場合です。
ホ自宅の購入で、ローン控除を受ける場合。
 または、自宅が「認定長期優良住宅」の場合。
 影響するのは、株の譲渡利益が2,480万円を超える場合です。

◎まとめ
今回の申告で、損失を繰り越す。
来年の申告では、
譲渡利益を相殺する(「繰越控除」する)申告書をネットで作成し、印刷してみる。(まだ提出しません。)
その結果、所得税の還付となるか納税となるを確認します。
さらに、相殺後の利益(利益から損失を控除)がある場合。
住民税が10%増加すると思います(念のため、住民税の窓口でご確認ください、市役所・区役所で)。
また、社会保険料への影響。

以上の検討結果を踏まえて、申告するかどうかを判断します。



 

本当に色々教えていただきありがとうございます。
大変勉強になり相談できて助かりました。
丁寧にご説明いただけたので理解できました。

参考にしていただけると嬉しいです。
また何かありましたら、当サイト「税理士ドットコム」をご利用ください。

本投稿は、2019年02月18日 09時08分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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