株式譲渡損失の繰越控除について
平成30年に株式譲渡損失が100万円生じ、確定申告で他の配当金等と損益通算しました。まだ30万円の損失が残ったため譲渡損失の繰越控除制度を利用して令和1年に繰り越しました。
令和1年度の確定申告では50万円の譲渡益と配当金があったため繰り越した30万円を控除し、翌年への繰越は0になりました。
3年間は確定申告をする必要があると聞いていたことから、令和2年度の確定申告において繰越金は0円として株式譲渡益と配当金の確定申告をしました。
3年間ということから本年度の確定申告までとなりますが、繰越損失が0円になっても必要なのでしょうか?
譲渡益と配当金がない場合でも繰越損失を明確にするために確定申告が必要というのは理解できるのですが、繰越す損失が無くなった場合でも確定申告が必要なのでしょうか?
よろしくお願いいたします。
税理士の回答

ご質問の場合には、申告は必要ありません。
繰越損失金額を翌年に繰り越して、相殺するための申告だからです。
有難うございました。
良く分かりました。
申し訳ございません。
もうひとつ質問させてください。
ということは、今回の令和2年度の確定申告においては昨年からの繰越損失が0円だったので、株式譲渡益と配当金を分離課税として確定申告する必要はなかったということでしょうか?
ただ、今回は確定申告をしてしまったことから、このままでは住民税の算出時にこの株式譲渡益と配当金も所得に含まれてしまうことから、市役所に「上場株式等の譲渡・配当等の選択課税申告書」を提出してこれらを申告不要もしくは分離課税とする必要があると思いますが、申告不要なのか分離課税なのかどちらを選択するべきなのでしょうか?

ご質問の令和2年分の申告ついて、譲渡益と配当金に分けて、別々に説明します。
◎譲渡益
申告分離課税と申告不要がありますが、税率はどちらでも同じになります。
つまり、繰越控除がなければ申告する意味がないことになります。
逆に、申告すると、合計所得金額に含まれることになり、各種所得控除に影響したり、国民健康保険料や介護保険料などにも影響します。
したがって、今回は、申告不要とすべきです。
◎配当金
所得税と住民税に分けて説明します。
【所得税】
配当金は、次の3つから選択します。
①総合課税で配当控除を受ける
②申告分離課税
③申告不要
※配当とその他の所得金額の合計金額によって、答えが異なります。
ここでは、900万円以下という前提で説明します。
所得税は、①総合課税で配当控除を受けるが有利です
【住民税】
住民税は、申告不要の申告手続がお勧めです。
なお、既に申告済みとのことですが、申告期限前の今なら、「訂正申告」できます。
その方法は、
譲渡益を申告しない、配当は総合課税で配当控除を受けるという確定申告書を新たに作成し、提出するだけです。
これにより、あとからの申告が上書きされると考えてください。
なお、申告書第1表の上部余白に、「訂正申告」と赤書きし、当初申告日を追記してください。
おって、ご質問の令和2年分とは異なりますが、特定口座の源泉有で譲渡損と配当金があるケースでは、配当金だけを取り出して申告することができないなど、ケースにより対応が異なりますのでご注意ください。
有難うございました。
ここでいう訂正申告は、「上場株式等の譲渡・配当等の選択課税申告書」で、住民税においては所得税とは異なる課税方式を選択するとして、譲渡所得は申告しない、配当所得は総合課税で申告する、とすることで良いのでしょうか?

住民税は申告不要を選ぶことがお勧めです。
訂正申告は、所得税の申告を訂正するということです。
私の理解が誤っていました。
譲渡所得は申告から外して、配当所得は分離課税ではなく総合課税に変更して、再度確定申告をすることで、これが正しい申告内容に置き換わるということですね。
早速再申告しましたが、還付金額大きく増えました。
更に、配当金については「上場株式等の譲渡・配当等の選択課税申告書」で、住民税については所得税とは異なり総合課税ではなく申告不要にするということですね。
大変お手数をお掛けいたしました。
助かりました。
有難うございました。
本投稿は、2021年02月24日 21時01分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。