住宅購入における親からの資金援助の方法について
住宅購入(築19年の中古マンション)にあたり、父親から資金援助(最大2000万円)を受ける予定です。以下1)-3)の方法を考えていますが、それぞれのメリットデメリットを教えていただけないでしょうか。また他にもっと良い方法はありますでしょうか。
1)住宅取得等資金の非課税制度で500万円贈与
2)住宅取得等資金の非課税制度と相続時精算課税制度を併用して合計2000万円贈与
3)父親に頭金2000万円を拠出してもらいその分不動産を父親との共有とする
注)
・親からの資金援助がなくても私自身の自己資金と住宅ローンで全額賄うことも可能ですが、将来の相続税対策も含めてベストな方法を選択したいと考えています。
・両親は離婚しており父は独身、また私には弟と妹がいます(法定相続人第一順位は3名です)。
よろしくお願いいたします。
税理士の回答
検討するポイントは、
①失礼な話ですが、相続税の計算
②兄弟間のバランス
③贈与税の非課税では、マンションの取得と贈与税の申告に、期限があること(贈与の翌年3月15日まで)
①相続税に関して、
贈与税の非課税を受けた金額は、将来の相続税の対象から除かれます。
失礼ながら、相続税は、3,000万円+600万円×3人=4,800万円の控除があります。
お父様のもしもの時の相続財産が、4,800万円以下であれば相続税がかかりません。
この際、相続時精算課税の特例を受けた財産は、贈与時点の金額を相続財産に加算します。
2のケースの1,500万円は加算したうえで、4,800万円の判定をすることになります。
2の1,500万円と、3の共有名義との違いは、
2の1,500万円は変動しないが、3は、相続開始時点の評価額になるということで、値上がりと値下がりの影響を受けます。
値上がりなら2がお得、値下がりなら3がお得になります。
なお、お父様がマンションに同居した場合には、3の共有のケースでは、小規模宅地等の特例に該当してくることが考えられます。
さらに、兄弟間のバランスは重要です。
今回の2,000万円の贈与が、他の兄弟の納得の上、かつ、全員に同額の贈与とすることが望ましいです。
全員に2,000万円の贈与が難しい場合は、1の500万円とし、1,500万円については共有持分が良いと思います。
相続争いは、もし発生したら非常に大変かつつらいものですから、3人全員が円満になる方策を探すべきでしょう。
お父様の財産の状況が不明な状況では、1~3のいずれがとは、一概に言えません。
鎌田浩司先生
大変ご丁寧にご説明いただきどうもありがとうございました。
1,2,3の違いが大変よくわかりました。
ちなみに購入を検討しているのは大規模タワーマンションで、購入金額に対し、固定資産税の評価額がかなり低くなっております。
そうすると、記載いただいた「値下がり」ケースと同様となり、2よりは3がお得になると理解しました。
ただしご指摘いただいた兄弟間バランスのリスクがありますので、この点も踏まえて検討したいと思います。
タワマンの見直しがありましたので、慎重に。
なお、土地の評価は路線価になるので、値上がりが見込まれることがあります。
鎌田浩司先生
アドバイスありがとうございます。タワマン節税対策してで評価額の見直しがあったのですね。よく調べてみます。土地の評価の件も承知いたしました。
本投稿は、2023年02月12日 13時42分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。