夫婦口座間の、共有資産の移動について、贈与税にあたりますか?
結婚約25年、二人の子(大学卒、大学在中)を持つ、共稼ぎ妻です。
結婚前の資産は、それぞれの口座に別通帳で管理しています。
結婚後の資産は、結婚スタート時に、通帳(それぞれ名義。0スタート)に給料振り込み、生活費引き落としなどやっております。
管理者は私1人で、主人には見えるよう、PCでまとめています。(年2回)
今回、主人が入院したタイミングで、資産の見直しを行いました。
理由は、入院し、傷病手当、障害手当等で、収入減になるので、投資信託等で、補填をしたいため。
今まで、それぞれの名義で貯まっていた、定期預金、普通預金の額は気にしたことがありませんでしたが、かなり金額差がありました。
主人は私より、年収で100万ほど低くなっています。
しかし、私の口座から、生活費にあたるものが、ほとんど引き落とされていたため、5年で1000万ほどの差ができていました(25年ではもっとですが。)
ある程度、残高を均等にするため、資産の移動(主人の通帳から、私の通帳へ)をしていますが、それは後々贈与税に関わる話になるか心配になってきました。
生活費の修正分として、説明できるのでしょうか?
税理士の回答
【結論】
結論から申し上げますと、過去の生活費の精算という名目で、ご主人の口座から奥様の口座へまとまった金額を一度に移動させた場合、贈与税の対象とみなされるリスクがあります。
【理由】
理由は以下の通りです。
・税法上、夫婦間で生活費を負担し合うこと自体に贈与税はかかりませんが、それが認められるのは「生活費として必要な都度、直接充てるために渡されたお金」に限られているためです(相続税法第21条の3第1項第2号)。
・過去何年にもわたって奥様が多く負担していた生活費を、後になって一括で精算(補填)するという形での多額の資金移動は、生活費の受け渡しではなく「単なる財産の贈与」と税務署からみなされやすいためです。
・過去の精算であることを税務署に認めてもらうためには、当時から「後でまとめて精算する」という明確な合意があったことを示す書面や、毎月の厳密な家計簿などの客観的な証拠が必要となり、実務上のハードルが非常に高いためです。
【具体策】
具体的には、以下の対応が考えられます。
年間110万円の非課税枠の範囲内で移動する
贈与税には、1年間(1月1日から12月31日まで)に110万円までであれば税金がかからない「基礎控除」という枠があります(相続税法第21条の5)。もし急ぐ必要がなければ、毎年110万円以下の範囲内で少しずつ資金を移動することをお勧めします。
今後の生活費の負担割合を変更する
過去の分を一気に精算するのではなく、これからの生活費や引き落としの負担をご主人の口座から多めに行うように設定を変更し、時間をかけてご夫婦間の資産残高のバランスをとっていく方法が、税務上は最も安全です。
ご主人の口座から直接必要な支払いを行う
ご主人の入院に伴う生活費や医療費の補填が目的であれば、無理に奥様の口座に資金を移す必要はありません。必要な医療費や当面の生活費を、ご主人の口座からその都度引き出して支払う形にすれば、夫婦間の扶養義務の範囲内となり贈与税の問題は発生しません。
本投稿は、2026年02月16日 12時27分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







