孫への生前贈与。子に先立たれた場合は?
私には、主人と娘がいます。
私が他界した場合は、この主人、娘の2人が相続人になるとします。(法定相続人の範囲のみ。遺言等の特別記載なし)
孫2人(娘の子)、娘婿1人に対して、毎年100万円贈与していたとします。
私が先に他界した場合、孫+娘婿は相続人ではないので、生前贈与として、直近7年分を相続財産として計算されることはないと理解していいでしょうか?
ここで、先に娘が他界した場合、孫2人が娘の代襲相続人となりますが、この場合、この孫2人に対して、直近7年分の贈与が相続財産として計算されてしまうのでしょうか?
また、娘婿への贈与は、両方のケースでも相続には絡んでこないという理解であっていますか?
税理士の回答
今年の税制改正で、いわゆる暦年課税の贈与加算が前3年から前7年になり、来年1月から適用されます。
この贈与の相続加算は、相続人かどうかではありません。
亡くなった人(被相続人)の財産を、相続又は遺贈で取得する人が対象です。
したがって、相続人であっても、財産を相続しない人は加算対象ではありません。この点は、以前から同じです。
具体的に加算対象者とは、
①被相続人の土地や預貯金などを遺産分割で相続する相続人
②被相続人の遺言でそれら財産を取得する人
③被相続人の財産以外で、相続又は遺贈による取得とみなされる人
この②では、相続人以外にも遺贈できますから、加算対象が相続人に限らないことになります。
③の表現が分かりずらいと思いますが、具体的には、生命保険金や死亡退職金です。
死亡保険金や死亡退職金は、被相続人が受取れないものです。
その意味では、取得した人が原始的に取得することになります。
このため、本来の相続財産ではありませんが、被相続人の保険料負担などが原資となるものですから、土地や預貯金などと経済効果が同じ。このため、相続税法が相続財産と「みなす」ことにされています。
例えば、相続人が死亡保険金を受け取る場合には相続とみなされ、相続人以外が受取る場合には遺贈とみなされます。
ちなみに、みなされると、反証があっても変更されません。
以上の①から③を言い換えると、「相続又は遺贈で財産を取得した人」が、被相続人から生前に贈与を受けていた場合が加算対象ということになります。
蛇足ですが、今回の改正で、相続時精算課税にも110万円の基礎控除が創設されました。
加えて、相続時精算課税の贈与であっても、110万円の基礎控除部分は相続時に精算の対象から除かれることになりました。
したがって、110万円の贈与により節税をお考えの場合には、暦年課税ではなくて相続時精算課税がお勧めです。
回答ありがとうございます。
2点確認があります。
①孫への生前贈与は、基本的に加算対象人にはならないということですね。
②ただし、孫に対して
・遺言で財産の一部を渡すことを明記している。
・死亡保険金の受取人になっている。
・娘に先立たれた。
などの場合、被相続人の財産を受け取る権利が発生するので、その権利を放棄しない限り、加算対象者になるということですね。
ほぼご理解のとおりですが、相続権があっても財産を取得しなければ、加算対象ではありません。
お返事遅くなり、申し訳ございません。
回答ありがとうございます。
色々なサイトで調べてましたが、生前贈与=相続時に遡っ加算されるから、節税対策にはならない。という内容ばかりで、対象になる人、ならない人がいるということをわかっていなかったので、大変スッキリしました。
本投稿は、2023年07月18日 18時09分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。