相続対策について
夫婦共働きで子供1人
20年前に妻の口座から夫の口座に1000万円ぐらいを送金してから現在は、夫の財産6000万円・妻の財産1000万円
どのように相続対策をするべきですか?
税理士の回答

20年前に行った奥様からご主人への1000万円の送金はどのような意図で行われたのでしょうか。
両者の間で贈与の認識があって行われたものであれば、その1000万円はご主人の財産と考えられますが、お二人の間で贈与の認識も合意もなかったものであれば、その1000万円はご主人が奥様の財産を預かっている状態だと考えることもできます。
それが事実であれば、ご主人は奥様から預かっている1000万円を奥様に返済する(ご主人の口座から奥様の口座に1000万円を送金する)ということで、ご主人の口座の残高を減らすことができます。
その場合には、お二人の間で預り金の精算である旨の覚書等を作成しておかれことをお勧めいたします。
また、相続対策の一つとして生命保険金の非課税枠を活用することも宜しいと思います。
生命保険金の非課税枠に関しては下記サイトをご参照ください。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4114.htm

20年前に資金移転した1,000万円は贈与として話を進めます。
また、ご相談者様夫婦は、まだまだこれから十分に対策を取る時間があるご年齢であるとします。
まず、現時点の状況としまして、
相続税には「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算される基礎控除があります。
男女の平均年齢的に、一次相続でご主人、二次相続で奥様に相続が発生すると仮定した場合、
一次相続の基礎控除は、4,200万円 相続人2人
二時相続の基礎控除は、3,600万円 相続人1人
です。
無料のネット相談でテクニカルな節税方法を提案するのは無理ですので、簡単で節税効果が必ず出るものだけ記載します。
また、ご相談者様の資産規模的には複雑な節税対策をしようとして、税理士に相談し具体的な提案等を受けると、節税額より税理士報酬などの諸経費がかえって高くなってしまうと思われます。
それでは、簡単にできる相続税対策を3点ご紹介します。
① 生前贈与
贈与税には歴年110万円の基礎控除があります。
これを利用して毎年110万円ずつでも下の世代に資産を移転していけば、大きな節税効果をもたらします。
例えば、お子様とお子様の配偶者、お孫様が2人いらっしゃるとして、4人に110万円ずつ贈与すれば、1年で440万円ご主人の資産を減らせます。
5年継続すれば、ご主人の財産は、相続税の基礎控除以下になります。
ただし、相続開始前3年以内に相続人または受遺者が贈与により取得した財産は、相続財産に足し戻され相続税課税されます。
② 生命保険の活用
相続税には、「500万円×法定相続人の数」で計算される生命保険金の非課税枠があります。
この非課税枠がある生命保険金は、いわゆる死亡保険です。
つまり、一次相続では1,000万円、二次相続では500万円の非課税枠がありますので、まだ死亡保障のある生命保険に加入していない、加入しているけど非課税枠に余があるということでしたら、是非ご活用ください。
③ 養子縁組
相続税の基礎控除や生命保険金の非課税枠は、法定相続人の数で計算されるため、養子を迎えて相続人を増やせば、節税になります。
ただし、実子がいらっしゃるので、相続税法上、養子を法定相続人の数に含めて計算できるのは1人までとなります。
お孫様がいらっしゃるのであればご検討ください。
服部先生
松井先生
ありがとうございます。
生命保険や110万円の基礎控除を検討したいと思います。
20年前に妻からの1000万円は、夫婦間で贈与だったと認識していれば夫の財産になるのですか?
20年前ともなくると税務署も調べようがないですよね‥
贈与税は、納めていません。
夫婦間にしか分からないことですよね

奥様からご主人への贈与であるのであれば、贈与後はご主人の財産になりす。
税務署がまったく分からないとは限りません。
例えば、その前に奥様が不動産の売却をしていたとすると、その売却の記録は登記に残ります。であれば、その売却金はどうしたのかという話に発展します。
適正かどうかはさておき、奥様は相続税課税される財産額にありませんので、ご主人の財産にしておけば、税務署は何も言ってこないとも考えられます。
過去に妻が不動産を売却してません。
将来、妻が親から相続した実家を売却しても
これから夫婦間の送金を生活費程度にしていけば税金でトラブルにならないですか?
これから妻の送金した1000万円を夫が資産運用して3000万円ぐらいになり分譲マンションの持分が1:1ぐらいで所有して1000万円+運用益を返したら相続税の申告が必要になりますよね。
その場合でも贈与の認識があれば夫の財産にしておいても大丈夫ですか?

将来、妻が親から相続した実家を売却しても
これから夫婦間の送金を生活費程度にしていけば税金でトラブルにならないですか?
→はい。問題ございません。
これから妻の送金した1000万円を夫が資産運用して3000万円ぐらいになり分譲マンションの持分が1:1ぐらいで所有して1000万円+運用益を返したら相続税の申告が必要になりますよね。
→その1,000万円が贈与であったとして、そのご主人の1,000万円を運用して3,000万円になったら、その3,000万円はすべてご主人のものです。返すという表現はおかしいです。
借りているという認識なら、1,000万円は奥様からご主人への貸付金です。
ご主人から見ると奥様からの借入金です。
どちらにしても、ご主人が自分で運用して得た利益は、ご主人のものです。
その場合でも贈与の認識があれば夫の財産にしておいても大丈夫ですか?
→先の回答のとおり、その1,000万円の資金移転が贈与であったのであれば、今はご主人の財産です。
服部先生の回答でもあるように、その1,000万円の資金移転が、どのような意図でされたかによって、処理の仕方が変わります。
頭の中が整理でいました。
服部先生・松井先生
ありがとうございました。

お役に立てて何よりです。
ベストアンサーをありがとうございます。
本投稿は、2021年08月14日 13時32分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。