死亡による預貯金口座の名義変更手続きと相続
先日、母が亡くなりました。(享年84)
母の遺品を整理したところ、家族が知らない他人(家族)名義の預貯金通帳が複数出てきました。
いくつかの通帳の存在は知っていましたが、管理はすべて母が行っており、それらの通帳の名義変更をこれから行います。
Q1.誰の名義に変更するのが良いのでしょうか。
Q2.相続先を決めてから名義変更した方が良いのでしょうか。
Q3.本人(故人)名義、他人(家族)名義の口座取り扱いがよくわかりません。
家族(遺族)構成は次の通りです。
1)父:84歳
・無職(年金受給者)
・世帯主
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2)長男:51歳(相談者)
・会社員
・既婚(子供あり)
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3)次男:49歳
・無職(求職活動中)
・未婚
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4)長女:44歳
・無職(年金受給者)
・障害あり
・未婚
なお、相続における争いはありません。
また、母名義の口座からは死亡直後から数日間にわたってATMで計500万円ほど出金して、医療費や葬儀費用の支払いなどに充てました。
アドバイスいただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
税理士の回答

Q1及びQ3〉他人名義の預金でも、真実はお母様の財産であれば、名義預金と申しまして、お母様の財産です。他のお母様名義のお母様の財産と同様に、名義にかかわらず相続財産に含めて遺産分割してください。名義人以外の相続人が取得しても構いません。
Q2〉相続先を決めてから(遺産分割協議を完了させてから)でなければ、預金の名義変更はできません。
〉母名義の口座からは死亡直後から数日間にわたってATMで計500万円ほど出金して、医療費や葬儀費用の支払いなどに充てました。
お母様のなくなって時点(引出し前)の預金残高がお母様の相続財産であり、課税の対象です。その上で、医療費はお母様の債務として、葬儀費用は葬式代として、相続財産から控除できます。従って、引き出し500万円のうち、医療費と葬儀費用を支払って手元に残った金額は、相続財産に含まれることになります。

相続税申告は必要となりますか?名義預金を含めて。
生じないのであれば、それぞれの名義のものはそれぞれの名義の方が取得するもの、として分割協議をすればよろしいのかと存じます。他の財産で均す等できると思われますので。

遺産分割協議後に、名義を引継ぐか、名義変更がよいと思います。
その前に名義変更などをすると、税務署に遺産隠しを疑われます。
名義預金は、母の相続財産という前提で回答していますが、生前贈与などがある場合は、事実関係の整理が必要と思います。
家族の預金だけど、たまたま母が管理していた場合もありますので。

〉家族が知らない他人(家族)名義の預貯金通帳が複数出てきました。
贈与契約の成立は、送る側と貰う側の同意が不可欠です。
ご家族名義の預金は、おそらくお母様のお気持ちで、ご家族にさし上げたのだと存じますが、貰う側のご家族が知らないということは、法的には贈与(生前贈与)は成立しておらず、お母様の財産となります。

Q1.Q2.
他人(家族)名義の預金もお母様の財産である場合には、相続人全員で協議して相続する人を決定します。お母様の相続人は、お父様・相談者様・弟さん・妹さんの四人になりますので、四人で誰がその預金を相続するかを決める必要があります。
Q3.
お母様(故人)名義の預金は相続人全員の協議で誰が相続するかを決定し、名義変更するか解約して相続する人のものにします。
他人(家族)名義の預金に関しても相続人全員の協議で誰が相続するかを決定し、①名義人の相続人が相続する場合にはそのまま通帳と印鑑を引き継いで自分のものにします。②名義人以外の相続人が相続する場合には一旦解約して解約金をその人の口座に入金します。
また、お母様死亡後に引き出したお金は遺産分割協議には影響しません。死亡時点の残高が遺産になります。一方、死亡後に支払った医療費や葬式費用は債務になりますので、500万円を引き出した口座を相続した人が負担する形で遺産分割協議書に記載するのが宜しいと考えます。
本投稿は、2018年06月02日 10時03分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。