法人資産(建物)の個人への譲渡(分譲)について
有限会社社長であった父が死去しました。会社役員は父・母・兄の3名。父名義の土地の上に法人名義のアパートを金融機関からの借入金で建て3千万円程度の負債が残っています。地代はとっていなかった模様です。建物は9部屋,うち3部屋を家族が自宅として無償で使用しています。その他を賃借人に貸し家賃収入が法人の売上です。家賃収入と借入金返済はバランスしていないものの費用化できるものが少ないため見かけは黒字です。金融機関からの借入には父と一般のサラリーマンである私が連帯保証人となっています。債務は自分ひとりで引き継ぐことで遺産分割協議も終えており,債務とともに建物を法人から私個人に引き受けたいのですが,その手続きと手続きにかかる税金について教えて頂けないでしょうか?
また,会社については継続することで節税につながるメリットは享受できるでしょうか?
税理士の回答

個人所有の土地に法人が建物を建築とのことですが、通常、このような場合には借地権の認定課税を回避するために、「土地の無償返還に関する届出書」か「相当地代に関する届出書」を税務当局に提出されると思われます。その点の記載がありませんでしたが、借地権に関しては「存在しない」ことを前提に回答させて頂きますのでご了承ください。
お父様の相続財産としましては当該アパートの敷地(土地)であり、建物と銀行借入金は法人に帰属するものと考えます。
したがって、建物と借入金を法人からご相談者様個人に変更する場合には、建物を負担付(借入金付き)で法人から買い取ることになると思われます。
この場合の建物の売買価額は、その時の適正な時価で売買することが必要となりますのでご注意ください。
手続きとしましては、個人と法人とで売買契約を締結し、銀行借入金につきましては銀行の承諾を得て債務者変更して頂くことになります。
発生する税金は、買い取る個人側では、売買契約書の印紙税・登録免許税・不動産取得税・翌年からの固定資産税等となります。
売却する法人側では、売却損益に伴う法人税等、消費税課税事業者であれば消費税等となります。
アパートを個人に渡してしまった場合、その他の収益がないようであれば法人の存在メリットは期待できないと思われます。
なお、法人に借地権がある場合には回答が一部変わって参りますので、その点はご留意ください。
宜しくお願いします。
本投稿は、2015年05月02日 16時02分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。