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従業員持株会で取引価額が明示されていない場合の譲渡について

中小企業の社長です。
創業者である先代が従業員持株会のようなものを作っていますが、規程には、取引価額が明示されていません。慣習で額面で取引をすることになっていたようですが、何の記録もありません。
自社株を持っている社員も何も記録は持っていないと言います。
今後、古参の社員の退職とともに、自社株を譲渡する必要がありますが、その際の価額の決め方がわかりません。
書籍で調べたところ、配当還元価額で取引をするのが原則のようですが、それでいいでしょうか。
仮に配当還元価額が額面価額よりも高ければ、株主に譲渡益が発生するとは思いますが、いくらで買ったのかわからないので、その計算すらできません。
さらに、退職する社員の株を誰も買わない場合には、会社が買い取るしかないと思いますが、これは法人税法の時価というものになるのでしょうか?

税理士の回答

そもそもですが、現在株式に額面は存在しません。
なので額面金額を基礎にした計算自体が、できません。

また、会社に株式を買い取る義務はありません。
会社に配当可能利益がなければ、買い取ることはできません。

なお、自社株が上場されている場合は、市場で売却すれば良いので、回答は非上場株式に限定します。また、旧グリーンシート株式のように、上場はされていないものの、一部の証券会社が管理して売買が行われている株式もあります。

ところで、何の記録もないのに株数は何で分かったのでしょうか?
取引の記録が見つからないのであって、記録はあったはずです。
株式の取得価額は、株主が調べるしかなく、極端なことをいえば、会社は関与する必要はありません。株主が思う値段で譲渡益を計算し申告すれば良いわけです。もし違った場合の責任は、株主が負担することになるのは当然で、会社は道義的責任はあるに留まります。申告は、株主が行うので、会社が責任を負わないのは制度上、仕方ありません。

今回の株式の譲渡価額は今の株式の状態で決めれば良く、買いたい人と売りたい人の金額の一致した値段が時価です。
買いたい人が見つからないで、会社が買い取る場合、自社株は配当可能利益の範囲でしか買えないという制限がありますので、ご留意ください。

ところで、従業員自社株会の規約はありませんか?
普通はあるはずです。無ければ、譲渡は自由で、そのまま、退職者が持ち続けることも認めざるを得ません。
特に非上場株式は、途中売却が難しく、会社は株主の保有メリットは、配当ぐらいしかありませんから、結構、配当をしているのではないでしょうか?
配当をしている株式であれば、退職後も株式保有のメリットもあります。


売買の当事者が参考にする値段として一番良いと思うのは、純資産価額による評価です。なお、帳簿価額に関係なく資産、負債ともに時価により評価します。

自社株の売買は非常に難しく、個別事案も多く、このような無料の相談サイトで、具体的な計算方法等を説明することができない点はご理解ください。

・株主が取得した時には株券を発行していたので額面がありました。
・私は従業員持株会の規程はあるが価額の記載がないので不十分と書きました。
・株数は株主名簿があるので確認できます。
・株主の課税関係は会社の知るところではないというのは理論的には正しいですが、中小企業ではそんなに杓子定規にできません。できないから、みんなが困らない方法を考えているのです。
・退職した社員に自社株を所有させていたら、相続発生時に会社は相続人と交渉しなくてはならないので困ります。持株会の規程の改訂までして、そんなリスクを取るメリットは何ですか?

そもそも常識的に上場会社の社長がここで質問するとは考えられません。
何かピントが合っておらず、しかも高圧的な回答を残念に感じました。

株主が取得したときは、株券を発行していたので、額面がありました。

この一文から考えられることは、額面があった時代であれば、会社は自己株式を取得することは原則禁止だったと思います。とすれば、株式を渡すために、その都度、増資していたのではないでしょうか?
そうであれば、会社の記録を調べて、増資の際の資本金や資本準備金の増加額を株数で割れば、1株当たりの金額が出ませんか?

あるいは、渡す株式は当時の役員が所有しているもので、コレを従業員に譲渡していたのでしょうか?
従業員の株数が増えたときに、会社が増資していなければその可能性が高いともいえます。その場合の譲渡価額は、額面金額の場合が多いと思います。
非上場株式の譲渡で純資産価額は、同族株主ならそうでなければなりませんが、無関係の株主の場合、額面金額は一般的かと思います。

直接の記録が見つからなければ、少しの手がかりから取得価額を推定するしかありません。その方法は1つではありません。

参考までにその方法の1つを紹介させていただきました。

当時、社長が社員に譲渡したのです。
自己株式は関係ありません。
たくさん書いていただいて、ありがとうございます。
ただ、ピントが合わないので、これ以上のご回答は不要です。
ありがとうございました。

国税OB税理士です。
ご質問の内容のとおり、最初に中小企業と記載がありますよね。
通常は、社員に持っていただくときには、上場株式を目指している会社とそうでない会社がありますが、そうでない場合には、額面で株主になっていただいているケースが多いですね。
なので、退職時に同じように額面で買い取って入りケースが多いと考えます。
従業員の方なので、そんなに大きい金額ではないと思いますので、ご納得いただけれるのであれば、配当還元方式にしなくともいいと思います。

※ただ、最近は、中小企業の株式を買い取り業者も存在するので、納得してもらえなければ、若干金額を上げざる負えないだろうと思います。
※会社自身が買い取るのではなく、社長個人が購入するのであればいいのですが、会社が買い取るとみなし配当課税にもなる点など、いろいろ検討すべき事項が出てきますので、この無料相談やにわか知識の税理士ではなく相続税等に詳しい税理士にきちんと相談すべきですよ。

私自身は、相続税に特化した税理士です。あまりにも困っていそうだったのでアドバイスしました。

西野先生 きちんと当方の質問を理解していただき、ありがとうございます。
やはり、詳しい先生のご回答は助かります。

社員は、配当をたくさんもらえたし、当時の取得価額がわからないので、額面での買取(取得した時の価額)は問題ないと言っています。
ただ、取得価額を証明できない場合ので、社員には、株式譲渡の利益があるかとうかわからず、税務署は、株価の計算をすべきという指導をしないものでしょうか?
それとも、この程度のものを税務署は指摘しないものでしょうか。
あとから税金を取られるようなことになるのであれば、株価の計算をして、個人がその値段で買い取るか、会社が買い取るかという方法の方が、すっきりはすると思うのですが。

以前だと、額面が500円とか50,000円だと思います。
額面で購入すれば、従業員さんは、差益は0円になりますから、申告不要になります。
同族関係者からの買い取りでなければ、特段の問題は生じません。

税務署うんぬんに関しては、この文章は、皆様に公表されるものですから、記載はご勘弁ください🙏

本投稿は、2025年08月05日 15時57分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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