遺留分侵害額請求権行使と相続税負担
母が公正証書遺言を残して亡くなりました。相続人は子AB2人です。遺言内容は「相続開始時点のすべての財産を子Bに相続させる」です。
子Aである私は、遺留分侵害額請求権を行使したいと思います。これより相続財産調査開始することになるため、遺留分侵害額の総額を現時点で確定することはできません。また、子Bも素直に遺留分の話し合いに応じるとも思えません。調停もしくは直接訴訟になる公算が高いと思います。
この場合、相続税申告前に遺留分侵害額請求権行使する場合と、申告後に行使する場合とで、私への相続税負担内容は変わるのでしょうか。
税理士の回答
国税OB税理士です。税務署では、相続税贈与税の担当部署の管理職をしておりました。
現在の状態は、公正証書がありますので、あなたAの相続分はありませんので、相続税の申告はいりません。
遺留分侵害により、相続財産の分け方が変わった場合には、4か月以内に相続税の申告や更正の請求を行うことになります。
遺留分の請求は、相続を知った日から1年以内ぐらいに行うと思いますので、どちらにしても決着がついてからです。
いつ、請求を起こせばいいかのタイミングについては、税理士の専門分野ではなく弁護士の先生だと思いますが、相続税の申告は、亡くなったことを知った日から10か月以内ですから、そのころに請求を行うと同時に相続税申告書を相手方に見せてもらうように請求するような感じだと思います。(ちなみに税務署は見せません。守秘義務がありますから)
財産をもらったら、相続税の申告が必要になりますから、早めに相続税申告分野に強い税理士に依頼するなどして、場合によっては遺留分侵害の請求等の相談に乗ってもらうのもよいかと思います。
詳細にお答えいただきありがとうございました
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本投稿は、2022年10月31日 20時16分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。