遺産分割協議書に含まれていない現預金は相続税にどのような影響を与えるのでしょうか?
私の父が入院中の亡くなる約1~2ヶ月の間に後妻が父の口座から数十回にわたり約1200万円を引き出していたことがわかりました。また、10年以上前から後妻の実子名義で父の口座から毎月15万円の積立預金をしていました。これらの合計約3000万円の預貯金が遺産の対象から外れていました。この状態で、遺産分割協議書が作成されてしまい、私も同意した場合、遺産から除外された約3000万円は、相続税にどのような影響を与えるのでしょうか?。後妻やその子は除外されたお金を何事もなく、手に入れることができてしまうのでしょうか?。また、遺産分割協議書の遺産とは別に3000万円を相続したとして申告することで、追徴課税を免れることができるのでしょうか?。ご回答の程、宜しくお願い致します。
税理士の回答
まず後妻さんが引き出した1200万円は、相続財産の計上漏れ、従って相続税が過少申告となっています。
後妻さんの実子名義の積立預金は、贈与にあたるかお父様の名義預金で相続財産の計上漏れか分かれるところかと思われます。
あなたが同意していても相続税の過少申告に変わりはないと思われます。
遺産分割協議書のやり直しかその漏れていた分を追加して相続税を計算し直して各人の不足税額を計算することになります。
計上漏れ分を含めて修正申告をすることにより、税務署の調査を受ける前に自主的に修正申告をすれば、過少申告加算税はかかりません。
早速のご回答、誠にありがとうございました。
申し訳ありませんが、追加の質問をさせてください。
①積立預金は「後妻の実子名義である」ことを金融機関に確認しましたので、贈与にあたり相続の対象外ということでしょうか?。この積立預金は亡くなる直前まで行われていました。
②「遺産分割協議書のやり直しをせずに、その漏れていた分を追加して相続税を計算し直す」ということは、他の相続人の納税額の再計算も必要になるということでしょうか?。その場合、すでに他の相続人が納税していた場合、追加の納税の連絡があるということでしょうか?。
③相続の追加があるとわかった時に、遺産分割協議書の再作成を要求することは可能になるのでしょうか?。それを拒否された場合、影響するのは納税額だけということですか?。
④遺産分割協議書のやり直しをせずに、秘かに、納税時に後妻が自主的に修正申告することは可能でしょうか?。つまり、他の相続人に気づかれることなく、過少申告加算税がかからないようにすることが可能かということです。
再度、質問させて頂きますが、何卒、ご回答を宜しくお願い致します。
①贈与はお互いの意思表示があって成立します。
ですので例えば後妻さんの実子が積立の事実をしらなかったとか、その通帳の管理をしていなかった等であれば贈与とはされず、お父様の名義預金とされ相続税の計算に含まれます(お通帳の名義ではありません、実質的にお父様のものか否かということです)。
贈与とされたとしても相続の開始前3年以内にお父様から贈与されていた分に関しては相続税の計算上、加味されてきます。
②おっしゃる通り、他の相続人の納税額も再計算になります。名義預金が見つかったのでもらっていない相続人の相続税まで増加する話しはよく聞きます。
修正申告をされるにしても連名ですので、追加の納税となります。
③遺産分割協議書に「上記以外の相続財産については、相続人〇〇が取得する」等の文言があればどうかわかりかねますが、相続人の誰かが遺産を隠していた場合などは、そもそも遺産分割協議自体が無効で成立していません。
この場合は、遺産分割協議を必ずやり直さなければなりません(今回の例がそうであるか否かはわかりかねます)。
拒否された場合、過少申告であった残りの相続税額・過少申告加算税・延滞税などが課されてきます。
④修正申告書には相続人全員の印鑑が必要です。密かには難しいのではないでしょうか。
以上、よろしくお願いします。
明快なご回答、誠にありがとうございました。
私はひとつ重要なことを勘違いをしていたようです。
遺産分割協議書は必ず作成されるものと思っておりましたが、今回のケースは遺言書(検認前)が存在しています。遺言書通りになった場合、上記の質問に対するご回答に影響する点はありますでしょうか?。遺言書に書かれていない遺産(例えば、特別受益に当たるものや名義預金、土地など)があったり、或いは意図的に除外していた場合などです。
単純に「遺産分割協議書」を「遺言書」に置き換えれば同じであるとすれば、話は十分理解致しました。
何度も申し訳ありませんが、ご回答頂けると助かります。宜しくお願い致します。
遺言書があり、その通りに遺産分割されているのであれば、遺留分の侵害等がなければ有効な遺産分割だと思われます。
遺言書が有効か無効かになってくると税理士の範疇ではなくなってきますのでコメントは差し控えさせて頂きます。
一般的には遺言書が無効と思われる場合は、家庭裁判所に対して遺言無効確認の調停を申請します。
そして遺言書が無効であるという証拠書類などを提出して、遺言の無効を認めてもらうことになります。
もし調停で遺言無効の調書が作成されなかった場合は、遺言無効確認の訴えという裁判を起こすことになります。
よろしくお願い致します。
ご回答、誠にありがとうございました。
申し訳ありませんが、再度質問をさせてください。
「遺言書」が有効か無効かについては、有効であるとして考えた場合に、
「遺言書」=「遺産分割協議書」という位置づけで良いのか否かがよくわかりません。
例えば、「遺言書」に記載がないものがあったとして、遺産の追加分の申告を他の相続人に知らせることなく、秘密裏に修正申告を行うことは可能でしょうか?。
つまり、「遺言書」に記載されていない遺産を他の相続人に知らせることなく、相続税の追徴課税などを免れる為に、修正申告できてしまうのかということです。
何を心配しているかというと、私の方でできる限り調査をして、積立預金、直前での多額な預金の引出などの事実を捉えましたが、すべての遺産となるべきものを把握して切れない、調査しきれないということです。
父は事業をしていたものですから、幾つかの会社を経営していたようです。
代表的な会社はわかっていますが、それ以外の会社はわかりません。
つまり、それらの株式がどうなっているのか全くわからない状況です。
従って、それらのことを知らない内に遺産相続手続きが終わってしまう可能性がないのか心配しています。
修正申告により、私に修正申告するよう税務署などから連絡があるのであれば、その事実を認識して、遺留分侵害請求も可能になります。
何度も何度も申し訳ありませんが、ご回答頂けると助かります。宜しくお願い致します。
吉川先生、誠にありがとうございました。納税に虚偽が無いか、できるだけ調査して、しっかり見ていきたいと思います。
お返事が遅くなりました。
遺言書があれば、たとえそれが遺留分を侵害していたとしてもそれだけで遺言が無効とはならず、相続手続きは完了されてしまうことになります。
遺言書に「その他の財産は〇〇に相続させる」などの文言があると全貌は分からなくなることもあります。
ただ、名義預金などは、申告書に自主的に載せていることもありますが基本的に税務署が調査時に発見することが多いもので、なかなか他の相続人が見つけることは困難かと思われます。
とはいえ、遺留分は期間内に減殺請求をしないと時効となりますのでその点は注意が必要です。
全貌がわからないと遺留分がどのくらいかも把握できないですね。
明らかにおかしい場合、専門家の力を借りることも検討して下さい。
吉川先生、再三にわたる質問にお答え頂きまして、誠にありがとうございました。
私の方での調査は継続していこうと思っています。
そして、遺言書の検認後に内容を精査します。
財産の全貌がわからないようであれば、要求したいと考えています。
それでも明らかにならなければ、専門家に依頼することにしたいと思います。
ありがとうございました。
色々とわからないことばかりで、精神的にお辛いと思います。
法律で守られた正当な権利は主張なさって下さい。
ありがとうございます。
本投稿は、2017年12月07日 22時03分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。