相続放棄した相続人の財産について
【質問の前提となるケース】
AとBは夫婦であったが、Aが亡くなる前の10年以上にわたり継続して別居していた。
別居開始する以前に、生前のAは、配偶者Bに対して複数回の生前贈与(金銭)を行っており、Aの死亡時点でBは当該金銭贈与を預金として保持している。
なお、当該贈与は10年以上も前に実行されたものである。
AとBは生前贈与時に贈与契約書も交わしており、Bは当該金銭をB名義の預金において名義・実質の両面におけるあらゆる面で自ら管理してきた。印鑑、カード、出入金、署名を含め、一切Aの関わりはなく、一貫して自己管理してきた。
なお、当該金銭のB名義預金がAの相続財産であるとみなされない限り、Aの相続財産は相続人の基礎控除の範囲内(相続税の申告は不要)である。
【質問1】
そもそも、上記ケースにおけるBの当該預金は、Aの名義預金とみなされ得るものでしょうか?
【質問2】
Bが相続放棄するか否かは、Bの当該預金に対しての税務上の扱いについて何らかの違いがありますか?
【質問3】
もし、仮にBの預金が名義預金とみなされ相続財産に加算された場合には基礎控除額を超過しますが、Aの相続についてBが相続放棄した場合でも、当該預金についてBに相続税が課せられることとなりますか?
税理士の回答
【質問1】について
既に贈与された金銭ですので、名義預金とされることはありません。名義預金となるためには被相続人Aがその預金を管理している必要があります。
【質問2】について
相続放棄の対象となるのは、原則として相続開始時の「相続財産(マイナスを含む)」です。
【質問3】について
名義預金とならないことは、【質問1】のとおりです。
また、生前贈与について相続財産に加算され、相続税が発生するのは、相続開始前3年間の贈与のみです。
本投稿は、2024年04月29日 17時29分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。