公証人役場にある書類はどうなるのか
公証人役場に遺言書や契約書を提出した本人が亡くなり、誰もその存在を知らない場合、その書類はどうなるのですか?亡くなった事実を知った税務署が法務局に問い合わせて開示されるのでしょうか?
税理士の回答

小川真文
公正証書遺言については、遺言が保管されている公証役場に対して開示請求(閲覧の請求や正本の交付請求)をすることができます。遺言者が生きている間は、原則として遺言者のみが公正証書遺言の開示請求を行うことができますが、遺言者が亡くなった後は、相続人などの法律上の利害関係のある者が開示請求を行うことができます。また平成元年以降に作成された公正証書遺言については、日本公証人連合会において、遺言情報管理システムを構築し、全国の公証役場で作成した遺言公正証書の情報を管理しています。全国の公証役場において、このシステムで遺言公正証書の有無および保管公証役場を検索することができます。ですからたいていの場合は「誰もその存在を知らない」という事態にはなりません。
それでもなおかつ「誰もその存在を知らない場合」には、公正証書の保存期間は、公証人法施行規則27条で、原則20年(遺言者100歳迄保管の例が多い)と定められていますので、それまでは保存されることになります。(なお公正証書遺言を無視して遺産分割の内容を変えようとすること自体は違法ではありませんが、公正証書遺言があることを知りながら手続きをせず隠したり、破棄したりした場合は違法となります)
先に申し上げたとおり、開示請求できるのは相続人などの法律上の利害関係のある者にかぎられますので、「亡くなった事実を知った税務署が法務局に問い合わせて開示される」ことはないものと考えます。それ以上に税務署では不動産や預貯金及び有価証券等の資産状況を把握済みもしくは照会確認することができますので、遺言内容から遺産内容を調査することはないものと思います。
必要な内容をケース別にご教示いただきありがとうございました。とてもわかりやすく理解出来ました。感謝です。
本投稿は、2024年05月16日 10時20分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。