相続税の申告を受ける税理士について
知り合いに紹介された税理士の方に相続税の申告を依頼するのですが、税理士の方に過去にどれぐらい相続税の申告をしたことがあるのか尋ねるのは大丈夫でしょうか?
最初はどんな相続内容か具体的に話を聞いてからの双方契約になると思うのですが、人によるとは思いますが、
相続内容について話した時、税理士の方が自分の経験値(?)では難しいと思われた場合、税理士の方から断る事はありますか?
それともどんな内容でもとりあえずは引き受けるスタンスなのでしょうか?
我が家の場合、素人ながらややこしいと思われる内容となっており、プロに任せれば大丈夫だろうと思う反面、どうなるのだろうと不安になっております。
税理士の回答

菅原和望
こんにちは。
依頼する税理士に対して不安や質問がある場合には、気にせず確認されるのが良いかと思います。
また、依頼内容によっては税理士の方から断ることはよくあることです。
後で問題にならないためにも、双方納得した上で契約されるのが良いでしょう。

佐藤和樹
1. 税理士に「相続税申告の経験数」を尋ねるのは大丈夫か?
まったく問題ありません。
相続税申告は税理士の業務の中でも専門性が高く、経験が重要な分野です。
特に以下のような事情がある場合は、経験豊富な税理士の方が安心です:
• 非上場株式の評価がある
• 地方に複数の不動産がある
• 名義預金や名義株が争点になりそう
• 生前贈与や家族信託などが絡む
• 二次相続対策も視野に入れたい
「過去にどれくらい相続税の申告を手がけたことがあるか」「複雑な案件に対応された経験はあるか」など、自然な会話の中で聞くのが一般的です。
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2. 税理士側から「難しいのでお断り」ということはあるか?
あります。
以下のような理由でお断りされるケースも実際に存在します:
• 内容が専門外(例:不動産や非上場株が多くて対応困難)
• 相続人間の対立が激しく、税理士として中立が保てない
• スケジュール的に申告期限までに間に合わない
• 資料が極端に整っておらず、協力が得られないと判断された場合
良心的な税理士であれば、**「自分では難しいが、この分野に強い先生を紹介します」**と助け船を出してくれることもあります。
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3. 難しい案件でもとりあえず引き受けるスタンスの人もいる?
そういう税理士もいますが、それが良いとは限りません。
経験の浅い税理士が無理に引き受けてしまうと、以下のようなリスクが発生します:
• 財産評価や特例適用でミスが起きる
• 税務調査で問題になる
• 後日の修正申告で追加の手間や費用が発生する
ですので、**「難しそうな相続だけど、正直に話して相談できるか」「その税理士が自分の限界を理解しているか」**を見極めることが重要です。
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4. アドバイス(ご不安な方へ)
• 最初の面談で、具体的に「こういう点が気になっている」と伝えることが大切です。
• 必要であれば、セカンドオピニオンを取ることも検討して良いです。
• ご家族の事情や財産の構成によっては、相続専門の税理士や事務所に依頼するのが安全なケースもあります。

三嶋政美
ご質問の件、率直に「これまでどのくらい相続税の申告を手がけてこられましたか」とお尋ねになるのは、まったく失礼には当たりません。むしろ適切な判断材料になります。また、税理士側も内容を伺った上で「自身の経験では難しい」と判断すれば、専門の税理士を紹介するか、丁寧にお断りすることも当然あります。すべてを引き受ける税理士ばかりではありません。相続は一つとして同じものがなく、ややこしいと感じる内容ほど、専門性の高い対応が求められます。だからこそ、遠慮せず確認し、信頼できる方に依頼されるのがよいでしょう。
本投稿は、2025年05月21日 04時02分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。