不動産の親族間売買
私から祖父への不動産売買について、税務上問題がないかご相談です。
【家族・財産状況】
・祖父母には子が父1人のみです。
預金・株
・祖父:約8,000万円
・祖母:約1,000万円
【検討している不動産売買】
現在、私と夫が各2分の1ずつ所有しているマンションを祖父が自己資金で5,000万円(査定価格)で購入することを検討しています。
購入後は祖父自身が居住するのではなく、まず孫である私たち家族が3〜5年程度、使用貸借により無償で居住する予定です。
その後、父母が現在の東京の自宅を売却して、このマンションへ移住することを考えています。
そのため、相続税対策をというよりは
・私たち家族が当面住み続けるため
・将来的な父母の移住先を確保するため
を目的としています。
現在の固定資産税評価額、路線価、敷地権割合、区分所有マンションの評価補正をもとに概算すると、祖父が5,000万円で購入した場合でも、相続時の評価額は2,300万円前後になる可能性があると考えています。
【質問①】
この場合、将来祖父に相続が発生した際、通常の区分所有マンションの評価方法に基づいて約2,300万円で相続税評価することに問題はないでしょうか。
特に、購入価格約5,000万円に対して相続税評価額が約2,300万円となるため、財産評価基本通達6項(いわゆる総則6項)等によって、通常の評価方法ではなく購入価格や時価に近い金額で評価されるリスクがどの程度あるのかを確認したいです。
また、親族間売買であること、購入後に祖父本人ではなく子や孫が使用貸借で居住すること、相続税評価額が購入価格を下回ることについて、実行前に注意すべき点や、保存しておくべき資料等があれば併せてご教示いただけますと幸いです。
【質問②】
今回親族間売買のため譲渡税がかかる認識でおります。その場合取得費は4800万となりますので私の持分1/2に準じて100万円に譲渡税がかかる認識で間違いないでしょうか。
税理士の回答
ご質問の件、以下の通り回答いたします。
【質問①】将来の相続税評価と総則6項等のリスクについて
1、総則6項(時価評価)のリスク
マンション評価補正により約2,300万円となるなら、原則その評価額での申告で問題ございません。
今回は借入れを利用した過度な税圧縮スキームではなく、孫の居住や父母の移住という「実需(合理的な目的)」があるため、総則6項による否認リスクは低いかと存じます。
*ただし、売買後極めて短期間(3年以内等)で相続が発生した場合は指摘されるリスクが残ります。
2、みなし贈与リスク
売買価格が時価と著しく乖離すると「みなし贈与」として贈与税が課されます。適正な時価であることの厳格な証明が必要です。
3、使用貸借の注意点
無償のため貸家建付地等の評価減はできず「自用地評価」となります。また、同居や生計一でない場合、小規模宅地等の特例(80%減額)は適用できない可能性が高い点にご留意ください。
4、保管すべき資料
・時価の証明: 複数業者の査定書や鑑定評価書
・契約・決済: 売買契約書、銀行振込の客観的記録(手渡し厳禁)
・居住実態: 実際に住んでいることがわかる住民票や光熱費明細
・目的の証明: 移住計画等に関する家族間のメール等の記録
【質問②】譲渡税(譲渡所得)の計算について
「持分1/2の収入2,500万円から取得費を引く」枠組みは正しいですが、以下2点に強くご注意ください。
1、取得費は「減価償却後」の金額
購入代金をそのまま差し引くことはできません。建物の取得費は、購入代金から所有期間の「減価償却費」を引いた未償却残高となります。その分取得費が下がり、譲渡益が広がって譲渡税が想定より大きくなる可能性があります。
2、3,000万円特別控除等の適用不可
買主が直系血族(祖父)のため、「居住用財産の3,000万円特別控除」や軽減税率は使えません。算出された譲渡益に対し、通常の税率(短期または長期)がそのまま課税されます。
回答は以上となります。
ご参考になりましたら幸いです。
本投稿は、2026年08月13日 11時34分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







