在庫について
個人事業の免税事業者です。
事業継承で、薬の在庫を親から無償で譲り受けました。
親の廃業時点で時価12万円ほどでした。
この場合、贈与になるのでしょうか。それとも譲渡関係になるのでしょうか。
親と私の申告にどう影響があるか教えて下さい。
税理士の回答
山口勝己
親から事業用資産(薬の在庫)を無償で譲り受けた場合、結論から言うと個人間では「贈与」扱い(贈与税の対象)になります。ただし、事業をそのまま引き継ぐ「事業承継」であるため、所得税の計算においては特別なルールが適用されます。
1. 親(先代)の申告への影響
無償の譲渡であっても、所得税法上は時価で売却(譲渡)したものとみなして収益(総収入金額)に算入する必要があります。
• 事業所得の収入に算入: 廃業時の時価(12万円)を事業所得の収入金額に含めて計算します。
• 経費の精算: その在庫の元々の仕入値は、親の最後の確定申告(廃業年)の「必要経費」として落とすことができます。
2. あなた(後継者)の申告への影響
あなた側では、この12万円は「もらった段階」と「将来売れた段階」で別々に扱われます。
• 贈与税の確認: 個人から年間(1月1日〜12月31日)に受け取った財産の合計が110万円以下(基礎控除内)であれば、贈与税はかかりません。今回の薬(12万円)の他に大きな贈与がなければ、贈与税の申告・納税は不要です。
• 所得税(開業後)の計算: 親から引き継いだ時の時価(12万円)が、あなたの事業における「仕入金額(最初の在庫の評価額)」になります。将来この薬を患者さんや顧客に販売した際、12万円を経費(売上原価)として差し引くことができます。
3. 消費税への影響(免税事業者)
ご自身が免税事業者であるとのことですので、今回の引き継ぎによってあなた側に消費税の納税義務が突発的に発生することはありません。また、親子間の無償贈与は消費税の課税対象外となるため、親御さん側でも消費税の対象外となると思われます。
贈与税と所得税は分けて考えます。個人から在庫の所有権を無償で譲り受ける場合、受け手では贈与税の検討が必要です。暦年課税なら、その年に他の方から受けた分も含めた贈与財産の合計と110万円の基礎控除を比較します。一方、親御さんは商品を贈与した場合でも、原則として通常の販売価額を事業収入に算入します。したがって「贈与税が出なければ双方の申告処理も不要」とはなりません。12万円の評価根拠、親の仕入・棚卸記録、譲受日と販売状況をそろえ、双方の収入・売上原価の処理をお近くの税理士事務所にご確認ください。
山本快夫
お世話になります。
補足させていただきます、
贈与とか譲渡所得とか、イメージしづらいようでしたら、以下のように考えると、親御さまも質問者さまも理解しやすいかと思います。
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・親御さまのほうの考え方
質問さまに在庫薬品を12万円で売却した。→事業所得の対象
売却代金の請求を放棄した→贈与した
↓
売却額12万円-仕入原価=売却益(事業所得)
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・質問者さまのほうの考え方
親御さまから在庫薬品を12万円で購入した。
購入代金の支払の免除を受けた→贈与された→贈与税の対象
↓
暦年単位で基礎控除110万円以下であれば非課税となります。
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前提から、時価12万円とのことですので、税務上も特に問題ありません。
他の方のアドバイスも参考になさってください。少しでもご参考になりましたら幸いです。
相亰俊信
お世話になります。
結論として、親御さんから無償で受け取った薬の在庫は「贈与」となります。ただし所得税では特別な扱いがあり、親御さんには時価12万円を売上とみなす課税が生じます。ご相談者様は12万円で仕入れたものとして扱います。
【親御さんの申告】
所得税法第40条第1項第1号では、事業用の棚卸資産(販売目的の在庫)を個人に贈与した場合、贈与時の時価相当額を総収入金額(売上)に算入すると定めています。親御さんは廃業年分の事業所得で、12万円を雑収入などとして計上します。在庫の取得原価は売上原価として差し引かれるため、実際に課税されるのは時価と原価の差額分です。なお、時価は通常の販売価額のおおむね70%以上で計上していれば認められる取扱いがあります(所得税基本通達39-2、40-2)。
親御さんが消費税の課税事業者であった場合は、廃業に伴う在庫の扱いについて消費税の確認も必要です。
【ご相談者様の申告】
所得税法第40条第2項により、贈与で取得した棚卸資産は、取得時の時価(12万円)で取得したものとみなされます。在庫は12万円の仕入として計上し、販売時に売上原価として経費になります。受け取ったこと自体は事業所得の収入にはなりません。
個人からの贈与なので贈与税の対象となりますが、贈与税には年110万円の基礎控除(課税されない枠)があります(相続税法第21条の5、租税特別措置法第70条の2の4)。同じ年に他の方から受けた贈与と合わせて110万円以下であれば、贈与税の申告は不要です。
なお、ご相談者様は免税事業者のため、消費税への影響はありません。
たくさんのご回答誠にありがとうございました。
親の収入になること、こちらは譲り受けたものは在庫のみなので110万までいかず贈与にはなるものの申告が不要ということ、よくわかりました。
仕訳的には
(親)
前年の期末在庫 18万があるのですが、
期首棚卸高/商品 18万
事業主勘定/雑収入 12万
(私)
仕入/事業主勘定 12万
でよろしいでしょうか。
帳簿をつけているので、仕訳まで教えて頂けると助かります。
山本快夫
お世話になります。
質問者さまのお考えのとおりで問題ございません。
金額的にも、通常販売でなくても、その仕訳(売上原価とする)で構いません。
宜しくお願い致します。
山本先生、追加質問にもお答えいただきありがとうございました。
本投稿は、2026年10月22日 14時17分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







