相続における、特定口座の株売却の譲渡税と、相続税について
源泉徴収済の株の売却益について、後から相続税分を控除して修正可能か教えてください。
父の株を相続します。相続税は支払済ですが相続方法を兄弟で揉めており、結局換金して法定分で分割することになりました。
一般口座の場合、株を売却した譲渡税の確定申告が必要で、その際に相続税分を取得費として売却益から控除可能かと思います(結果的に、譲渡税が減額出来る)。
しかしながら、特定口座利用で源泉徴収有りの場合、売却時に売却益から自動で源泉徴収されてしまうので、相続税分を控除出来ないでしょうか。
それとも、売却益と源泉徴収額が証明出来れば(証券会社から証明書類をもらえれば)、後日(次回の確定申告時にでも)売却益から相続税分を控除した額で譲渡税を申告、つまり払い過ぎている分の源泉徴収額の還付を受けることが可能でしょうか。
税理士の回答

取得費加算の特例の利用についてとなりますね。特定、一般を問わず、所定の要件、期日要件を充たしていれば適用は可能です。ただ、算出、期日要件等ありますので、相続税申告を依頼されている税理士の方に整理していただき、スケジューリング、節税金額等事前に整理されておかれるとよろしいのかと存じます。
相続財産を譲渡した場合には、譲渡所得の取得費の特例があります。
参考にしてください。
「抜粋」
相続財産を譲渡した場合の取得費の特例
[平成29年4月1日現在法令等]
1 相続税が取得費に加算される特例(相続財産を譲渡した場合の取得費の特例)
(1) 特例の概要
この特例は、相続により取得した土地、建物、株式などを、一定期間内に譲渡した場合に、相続税額のうち一定金額を譲渡資産の取得費に加算することができるというものです。
(注) この特例は譲渡所得のみに適用がある特例ですので、株式等の譲渡による事業所得及び雑所得については、適用できません。
(2) 特例を受けるための要件
イ 相続や遺贈により財産を取得した者であること。
ロ その財産を取得した人に相続税が課税されていること。
ハ その財産を、相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡していること。
相田先生、山中先生、ご回答ありがとうございます。
取得費加算の適用にはなりそうですが、売却時に自動で源泉徴収されてしまった分を、確定申告で修正申告することで還付可能なものでしょうか。
数字で言えば
株の売却益:1億、源泉徴収額:2000万(売却益の2割)、相続税額(支払済):1000万
の場合、
株の売却益の修正:1億マイナス取得費として相続税分1000万=9000万
源泉徴収額の修正:2000万マイナス1800万(=9000万の2割。本来?の譲渡税)=200万
この200万の還付請求が可能
でしょうか。
この特例は確定申告で選択します。
しかし、相続税の全額が取得費ではありません。
下記を参考にしてください。
「抜粋」
相続財産を譲渡した場合の取得費の特例
1 相続税が取得費に加算される特例(相続財産を譲渡した場合の取得費の特例)
「抜粋」
(ロ) 土地等以外の財産(建物や株式など)を譲渡した場合
建物や株式などを譲渡した人にかかった相続税額のうち、その譲渡した建物や株式などに対応する額。なお、譲渡した財産ごとに計算します。
<算式>
その者の相続税額×[その者の相続税の課税価格の計算の基礎とされたその譲渡した建物や株式などの価格/(その者の相続税の課税価格+その者の債務控除額)]=取得費に加算する相続税額

申告にあたっては、計算式等あるものですが、今回限りの処理を把握、適用、申告するのもご負担かもしれません。最寄りの税理士の方に依頼されてもよろしいのかとは存じます。間違いがありません。

売却した株に対して課税された相続税相当額を、株の売却益の譲渡所得の申告の際に、控除できます。
ご質問のとおり、200万円は正確に計算しないとわかりませんが、相続税相当額は還付になります。
No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3267.htm
本投稿は、2018年07月21日 17時38分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。