個人への遺贈と法人への遺贈
社長個人が所有している会社の土地を、会社に遺贈しようとしています。
その場合、会社が法人税を払う必要があるのと同時に、社長の相続人が譲渡所得に関する税金を納める必要があると、本で読みました。
社長個人が、甥などに遺贈する時には、甥が相続税を納税するだけでいいと思いますが、この違いは何なのでしょうか。
同族会社だからでしょうか?
税理士の回答

理由は、税法(所得税法59条)で規定されているからです。ただし、戦後直後における日本の税制では、個人に対するものでも、相続税、所得税(みなし譲渡所得課税)の両方がかかっていました。しかしながら、土地等を持っていた人が亡くなるたびに、相続税だけでなく所得税の課税の問題が生じ、納税者の理解がえられず、現在の税法のように成りました。
(贈与等の場合の譲渡所得等の特例)
所得税法第五十九条 次に掲げる事由により居住者の有する山林(事業所得の基因となるものを除く。)又は譲渡所得の基因となる資産の移転があつた場合には、その者の山林所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額の計算については、その事由が生じた時に、その時における価額に相当する金額により、これらの資産の譲渡があつたものとみなす。
一 贈与(法人に対するものに限る。)又は相続(限定承認に係るものに限る。)若しくは遺贈(法人に対するもの及び個人に対する包括遺贈のうち限定承認に係るものに限る。)
二 著しく低い価額の対価として政令で定める額による譲渡(法人に対するものに限る。)
2 居住者が前項に規定する資産を個人に対し同項第二号に規定する対価の額により譲渡した場合において、当該対価の額が当該資産の譲渡に係る山林所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額の計算上控除する必要経費又は取得費及び譲渡に要した費用の額の合計額に満たないときは、その不足額は、その山林所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額の計算上、なかつたものとみなす。
中島先生
早速に、詳しい解説をいただきありがとうございました。
本投稿は、2019年10月29日 13時56分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。