スキャナ保存のオペレーションについて
このたび楽楽精算を導入し、経費精算の伝票・領収書をシステム上から出力できるようになり、大変便利に活用しております。
この運用はスキャナ保存要件に該当するため、本来は紙原本の保存は不要と理解しております。しかし、念のため紙も並行して保管しておいた方が安心ではないか、とも感じています。
そこで、紙と電子データの両方を保管する場合、なるべく運用負荷の軽い方法について、他社の実例も含めてご教示いただけないでしょうか。
特に悩んでいる点は以下の通りです。
申請者は社外からでもシステム上で精算申請が可能なため、経理まで紙が確実に提出される保証がありません。そのため、紙の回収を徹底しようとすると、経理側で「紙の提出有無を確認する」という工程が新たに発生してしまいます。
現在の承認フローは以下の通りです。
①申請者(申請と同時に紙を提出)→②部長承認→③経理担当→④経理部長
このうち③経理担当のタイミングで、紙提出の有無をチェックするのが現実的かとは考えています。
一方で、社内にこの分野のノウハウを持つ人材がおらず、中途入社の営業担当者など何人かに聞いてみたところ、前の会社では紙の領収書を提出していないケースが多いのが実情です。今から紙提出を徹底しようとすると、反発を招きそうで踏み切れずにいます。
弊社はこれまで税務調査を受けたことがなく、できる限り万全な体制を整えておきたいと考えています。
ご教示いただきたい点
経費精算のスキャナ保存について、一般的にはどのようなオペレーションで運用している会社が多いか
コストをかけてでも、紙原本を電子データと並行して保管する価値があるかどうか
以上、ご意見・実例など伺えますと幸いです。
税理士の回答
髙畑智子
スキャナ保存の要件を満たして保存しているのであれば、原則として紙の領収書等を併せて保存する必要はありません。
令和4年1月1日以後のスキャナ保存については、読み取り後に最低限の同等確認を行えば、一定の場合を除き紙原本を廃棄することが認められています。
そのため、念のためという理由で紙提出を義務付けると、ご質問のとおり提出確認や未提出者への督促など、かえって運用負荷が増えることになります。
私であれば、楽楽精算でスキャナ保存の要件を確実に満たす運用を整備したうえで、紙原本の全件回収・保存は行わない運用を検討します。
なお、入力期間を経過した場合など紙原本の保存が必要となるケースがありますので、例外時の取扱いについては社内ルールを定めておくとよいでしょう。
この運用はスキャナ保存要件に該当するため、本来は紙原本の保存は不要と理解しております。しかし、念のため紙も並行して保管しておいた方が安心ではないか、とも感じています。
どこの会社も並行して保存しています。
よろしくお願いいたします。
神のほうが調べやすいし。将来見やすいので。
山本快夫
お世話になります。
ご質問に対する回答)
↓
あくまでも私見となりますが、契約書や支払に係る請求書・領収証等については、電子データに加えて、書面での保管も、おすすめしております。
―――――――――――
補足)
軽いところでは印紙税の過誤納における還付請求の備えて、重いところでは電子データの万一の消失時の仕入税額控除に備えて、一定の書類については、電子データに加えて書面での保管も、引き続き重要と個人的には整理しております。
電子帳簿保存法一問一答【スキャナ保存関係】
問3
即時に廃棄して差し支えありません。
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/0026007-006_03.pdf#page=13
国税庁 質疑応答事例
スキャナで読み取った電磁的記録の保存による仕入税額控除の適用について
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shohi/18/12.htm
他の方のアドバイスも参考になさってください。少しでもご参考になりましたら幸いです。
坪井昌紀
相手先から届いた「請求書」は、原本保存しなければなりません。
①紙の場合、紙のまま保存する。②電子請求書の場合は、請求書がPDFでメール添付して送信されることがあると思います。そのPDF請求書が原本なので、これが原本となります。
つまり、①と②を保存すれば良いのです。
(答)
このご質問では、「スキャナー保存がOK該当」している前提のようですから、スキャナー保存されているものが、「原本」扱いになりますので、それで良いと思います。
【蛇足】
万が一、スキャナー保存に該当していない場合について。
該当しない場合に一般的な取り扱いになるのでコワイところです。
例えば、決裁の都合でPDF請求書を印刷出力してから回付されることがありますが、この印刷された請求書は原本ではないです。
②の対処法として、相手先から届いた「PDF請求書」は、各決算期ごとにフォルダを作って、決裁の都度、ためていくやり方であれば、1年分の電子請求書が1ファイルに貯まります。
税務調査があった場合は、フォルダごと提示すると足ります。
一方、①の紙の請求書は、従来通りの保存で原本が存在していますから、それで良いです。しかし、スキャナー保存に該当していないのに処分してしまうと原本がないことになります。
・貴社のケースでは、スキャナー保存であることで、紙が処分されるケースですので、「保存要件」を毎年確認していくように心がけると良いでしょう。
【補足】
税務対応も重要ですが、一方、経理監査での内部けん制力を維持も必要です。それがあれば良いでしょう。
スキャナー保存に変更しつつ、当面は上記の「蛇足」回答のやり方を残すという手法もあるかと思います。
回答作成中に、先に回答されていた先生方がおられました。おそらく、回答は同意だとは思います。折角ですので、入力した本回答は消さずに掲載ボタンを押しておきます。回答は以上までとしておきます。
山本快夫
ご質問はスキャナ保存のため、余談となりますが、
電子取引で受領したデータについても、消費税における仕入税額控除の影響も考慮して、一定の電子データについては、プリントアウト書面での保管も、個人的にはおすすめしております。
参考)
電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】(令和8年7月)
問29
その保存の有無が税額計算に影響を及ぼすことなどを勘案して、令和4年1月1日以後も引き続き、その電磁的記録を書面に出力することにより保存することも認めら
れています。
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/0026007-006_05.pdf#page=29
宜しくお願い致します。
本投稿は、2026年08月24日 11時22分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







