社有車による通勤、について
弊社は郊外にあるため、全社員が基本的にマイカー通勤です。
しかしながら、Aという役員が「社有車」にて通勤しています(片道約50km)。
社有車なので、ガソリン代や車検費用も、会社の経費です。
A役員が社有車で通勤することについて、これは「現物給与」とみなされないのでしょうか?
税理士の回答
社有車という名義だけで、役員の通勤費用がすべて会社の経費になるとは限らないと考えられます。会社による役員の私的費用の負担は、経済的利益として給与課税の検討対象になります。一方、業務上の車両管理・直行直帰等の必要性がある場合もあり、通勤と私用・業務利用の実態を区別することが大切です。運行記録、業務利用割合、社内の車両規程、本人負担や通勤手当との重複を整理し、給与課税・法人税の処理を顧問税理士へ確認してください。
※本回答は一般的な情報提供を目的としたものです。詳細な判断は管轄の税務署への確認や、税理士への個別相談をお願いいたします。
会社の役員が社有車で通勤すること自体は、直ちに問題になるとは限りません。会社が業務上の必要性を認め、社内規程や役員への貸与条件に基づいて運用しているがどうかによります。
山本快夫
お世話になります。
ご質問に対する回答)
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社有車による通勤や移動について法人の「業務上の必要性」が客観的に証明・疎明・説明でき認められる場合には、経済的利益(給与)として課税されないと考えられます。
そのために、以下、どれも必須ではありませんが、個人的に強くおすすめする内容となります。
・走行記録や管理簿を整備しておく。走行距離が多ければ尚良し。
・同乗したり訪問したりして取引先にも認知してもらう。
・自動車保険も事業用とする。
・自宅ではなく事業所で保管する。
・高級車については複数台は控え、別にプライベート専用車を準備する。
・あまりに希少価値が高い限定車は避ける
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補足)
まず、基本的な考え方として、法人の事業の用に供する車両を専属的に利用することにより個人が受ける経済的利益の額は、その車両の利用につき通常支払うべき使用料その他その利用の対価に相当する額となります(所法令84の2)。
次に、緊急時の即応体制や、役員の安全確保や危機管理、不規則な出退勤、等々、法人の業務上の必要性があれば、給与課税になりません。
大企業の役員専属車は業務上の必要性が認められ、中小企業の役員専属車は個人的便益と判断されるということは、課税の公平性からありません。
ただし、法人名義車両を役員や家族が私的利用していた場合は、経済的利益(給与)として課税されますので注意が必要となります。
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参考)
法人の事例となりますが、フェラーリを通勤及び支店を巡回指導する際の交通手段として使用するなど事業の用に供している旨の納税者の主張が、車検記録の走行記録等から事業の用に使用したものと推認することができ、別に外国製の車両3台を個人的に所有しており、請求人の減価償却資産とはしていないことを併せ考えると、車両を請求人の資産として計上していることを不相当とする理由は認められないと判断された有名な事例があります。
(国税不服審判所 平成7年10月12日)
法人車両の私的利用につき重加算税が取り消された裁決事例(平成24年11月1日)があります。
https://www.kfs.go.jp/service/JP/89/12/index.html
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他の方のアドバイスも参考になさってください。少しでもご参考になりましたら幸いです。
荒川直宙
結論から申し上げますと、A役員が社有車で通勤し、そのガソリン代や維持費を会社が全額負担している状態は、税務調査において「現物給与(経済的利益の供与)」とみなされる可能性が高いです。
役員に対する経済的利益の供与は、源泉所得税の追徴や個人の税負担増にとどまらず、状況によっては損金不算入のリスクも伴います。その法的な理由と必要な対策を整理いたしました。
【1】なぜ「現物給与」とみなされるのか?
税務上、自宅から会社までの「通勤」は業務ではなく「私的な行為」とみなされます。
他の全社員がマイカー通勤をしている中で、A役員だけが社有車を無償で使用し、片道約50km分のガソリン代や車検代まで会社が負担している状態は、「本来本人が負担すべき通勤費用を会社が肩代わりしている(経済的利益を与えている)」と判断されます。
業務上の特別な必要性(緊急出動義務がある、直行直帰が常態化している等)がない限り、自宅と会社の往復は私的利用と扱われ、その利益分は現物給与として課税対象になります。
【2】役員ならではの税務リスク
役員への経済的利益については、従業員とは異なる税務上の論点が生じます。
◆ 源泉徴収漏れと役員個人への課税
通勤に係る経済的利益はA役員の給与となり、会社には源泉所得税の追徴や不納付加算税・延滞税が、A役員個人には所得税・住民税が課されます。
◆ 損金算入への影響
毎月おおむね一定の経済的利益であれば「定期同額給与」として損金算入が認められる余地がありますが(法人税法施行令第69条第1項第2号)、車検代や臨時的な修理代など一時的な負担と認定された部分は、事前の届出がない役員賞与として損金不算入となるおそれがあります。
【3】通勤手当の非課税枠は使えないのか?
マイカー通勤であれば、片道45km以上55km未満の非課税限度額は「月額32,300円」となっています(なお、正確な距離が片道55kmを超える場合はさらに上位の限度額区分となります)。
しかし、所得税法上の非課税規定は原則として「金銭で支給される通勤手当」を前提としています。社有車の現物貸与にはこの非課税規定がそのまま適用されず、通勤に要した費用の全額が現物給与とみなされるリスクがあります。
【4】会社として取るべき改善策
税務調査で指摘される前に、以下のいずれかの方法で適正な運用に是正することをおすすめします。
◆ 方法A:マイカー通勤+通勤手当に切り替える(最も安全)
社有車通勤をやめ、他の社員と同様にA役員個人の車で通勤してもらいます。その上で、社内規程に基づき片道距離(45km以上55km未満なら月額32,300円以内)に見合う通勤手当を役員報酬とは別枠で支給します。正確な通勤距離を測定・確認した上で設定すれば、最も確実で税務リスクの少ない方法です。
◆ 方法B:通勤分の費用をA役員から会社に返金させる
業務上の都合で社有車を持ち帰る必要がある場合は、運転日報(運行記録簿)を記録して業務利用と通勤利用を明確に区分します。その上で、通勤走行分に相当するガソリン代や車両利用料を、毎月A役員から会社へ適正に返金(徴収)させる運用を行います。
現在の状態をそのまま放置するのはリスクが高いため、早急に社内ルールの見直しや顧問税理士へのご相談をおすすめします。
少しでもお役に立てましたら、ベストアンサーに選んでいただけますと幸いです。
https://www.nta.go.jp/users/gensen/2025tsukin/index.htm
上記範囲なら問題はありません。
よろしくお願いいたします。
ご見解をいただき、誠にありがとうございました。直ちに活用させていただきます。
藤倉真人
お世話になります。
社有車を通勤のためだけに使っているのであれば、通常は現物給与(給与として課税される、お金以外の経済的利益)として課税されることはないと考えられます。ただし、休日の私用など通勤以外の私的利用がある場合は、その部分が役員への経済的利益として給与課税の対象となる可能性があります。
所得税法上、会社が負担した費用のうち役員・使用人の個人的な支出に充てられるものは、原則として経済的利益として給与に含まれます(所得税法第36条、所得税基本通達36-15)。一方で、通勤のための費用は一定額まで非課税とされています(所得税法第9条第1項第5号、所得税法施行令第20条の2)。社有車の通勤利用について直接定めた規定は見当たりませんが、実務上は、通勤手当の非課税限度額の範囲内であれば課税しない扱いが一般的です。
なお、片道約50kmの場合、マイカー通勤者の非課税限度額では「片道45km以上55km未満」の区分に当たります。この区分の限度額は令和7年の改正で引き上げられており、適用時期によって金額が異なりますので、最新の国税庁タックスアンサー(No.2585 マイカー・自転車通勤者の通勤手当)でご確認ください。ガソリン代などの会社負担が限度額を大きく超える場合は、その超えた部分の扱いを検討しておくと安心です。
私的利用がある場合、その経済的利益は役員給与となります。毎月おおむね一定の額で継続して供与されるものであれば、定期同額給与として損金(法人税の計算上の経費)に算入できる余地があります(法人税法第34条第1項第1号、法人税法施行令第69条第1項第2号)。
税務調査では、社有車の私的利用の有無がよく確認されます。次のような対応をしておくと、説明しやすくなります。
・運転日報などで、通勤・業務での使用状況を記録しておく
・車両管理規程で、私用での利用を禁止または制限しておく
・ほかの社員のマイカー通勤手当との均衡に配慮しておく
本投稿は、2026年10月31日 23時25分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







