サラリーマンの妻が個人事業主になる場合の経費の扱いについて
お世話になります。
私は50歳のサラリーマンでして、専業主婦である妻が趣味で育てた観葉植物をフリマで販売してきたのですが、思いの外好評で取り扱い量が増えてきております。
そこで個人事業主として登録させようと考えているのですが、経費計上のやり方などがわからず、何卒アドバイスいただけないでしょうか。
【現状】
・私は50歳のサラリーマン(年収1500万円)
・専業主婦の妻が趣味で観葉植物を栽培。
・昨年取れた種子を発芽させある程度大きくなった鉢植えをメルカリなどで販売。(単価1万円程度)
・今年のフリマ売り上げで30~50万円程度になりそう。
【かかっている経費】
①場所代 自宅マンション(75平米、2015年に約6000万円で購入)の一室(15平米)を植物栽培の専用部屋として利用
②光熱費 電気代が平均3.5万/月、水道代が平均1.0万/月 ※植物育成ライトや空調を24h体制で使用しており、水遣りも1日に数回やっております。植物栽培の使用量が厳密に分計できていないのですが、一般的な使用料よりも大分多いと思います
③物品費 約30万(育成棚・ライト・電源タップ・空調ファン等といった什器類、鉢・肥料・培養土・水遣りグッズ等)
④交通費 植物イベントの見学・仕入れ(日本各地:飛行機やJR、レンタカーなど場所に応じて使い分け)に伴う交通費・宿泊費・レンタカー代
【ご相談事項】
①場所代について、マンションの1室を潰して使っているのですが、経費計上可能でしょうか
②光熱費について、どのように分計して計上すれば良いでしょうか。
③の購入にあたっては私のクレカで購入しているのですが、個人事業主である妻の経費として計上可能でしょうか。 その際、注意すべき事項などありますでしょうか。
④交通費について、③の物品調達時や各種仕入れ時に、私が荷物持ち係兼運転手(妻が運転免許なし)として同行することが多いのですが、私の分の交通費や宿泊費も経費計上可能でしょうか。
当方素人につき専門家の皆様にとっては、大変基本的な内容が多いかと思われますが、何卒ご教示の程どうぞよろしくお願いいたします。
税理士の回答

① 場所代について
自宅のマンションの一室を使用している部分については、事業専用部分として場所代を経費計上することが可能です。ただし、自宅を事業に使用している場合、家賃や住宅ローン利子などの「地代家賃」として経費計上できるのは、事業に使用している割合に応じた部分のみです。このため、家事按分の手法を用いて、事業専用に使用している部分の面積を全体面積に対する割合で計上します。例えば、75平米のうち15平米を使用しているなら、15/75(=20%)を事業用として計上します。ただし、実際には使用面積に加えて時間配分も考慮されることがあります。
② 光熱費について
自宅で使う光熱費も、植物の栽培事業のために使った分を経費として計上可能ですが、こちらも家事按分を行います。一般的に考えられる家庭での使用量を基に、植物の栽培に使用したと考えられる分を算出し、その分が経費となります。具体的には、栽培に必要な機材(育成ライト、空調など)にかかった実際の使用量を見積もることで合理的な割合を見つけます。光熱費の使用量には各機材の使用時間と消費電力の総和から計算する方法が考えられます。
③ 物品費のクレカ購入について
あなたのクレジットカードでの購入でも、妻の事業に使用するものであれば経費計上可能です。ただし、その場合は、購入した物品が事業のためのものであることを明確にし、立替経費として処理します。妻が個人事業主として経費に計上する際には、領収書に事業名や使用目的を記載し、日付も明確に記録することが重要です。立替払いの形で明確に分けて記帳します。
④ 交通費について
交通費や宿泊費は、事業に関連する活動にかかったものであれば経費として計上可能です。しかし、あなたが同行する際の費用については、妻の代わりに運転や荷物持ちといった事業上必要な役割を果たしているのであれば、その分も経費として認められるケースがあります。ただし、その目的が事業に関連していることをしっかりと記録に残し、領収書には適切に役割や行き先、目的などを記載してください。主な目的が事業に関する活動でなく、観光など個人的な目的を併せ持つ場合は、按分が必要となります。
ご回答ありがとうございます。大変理解が深まりました。
④につきまして追加で疑問なのですが、例えば沖縄に観光と仕入れ目的で行った場合、観光と事業の按分をする係数は何をキーに行うのが合理的と考えられますでしょうか。
例えば、
○レンタカーなら、距離や活動時間の割合?
○ホテル宿泊なら、観光と事業の活動時間の割合?
○沖縄での外食費は経費に算入可能?
○観光の途中で仕入れ先に立ち寄った場合のガソリン代?
など、考え出すと明確に事業と観光を切り分けることがあいまいな部分も多いように思います。
仕入れのついでにお土産屋に寄るようなことも含め、割り切って全て事業活動時間として計上することも考えられるのですが、その証明をするのに必要となる証拠書類などはどういったところまで準備しておけばよいでしょうか(行程表など足るでしょうか。)
個人事業主においてはどのようされているのが一般的なのでしょうか。
もちろんあくまで一般論として教えていただければ幸いでございます。

観光と仕入れ目的の旅行をした場合の経費按分の方法について、以下のようにまとめました。
レンタカー費用
レンタカーの費用は、距離や活動時間で按分するのが合理的です。具体的には、事業目的で使用した走行距離を全体の走行距離で割った割合を用いる方法です。例えば、全行程の走行距離が500kmで、そのうちの150kmが事業目的だった場合、150km/500km = 30%を経費として計上します。
ホテル宿泊費
宿泊費については、事業活動に使用した時間の割合で按分するのが一般的です。例えば、24時間中8時間を事業活動に使用した場合、その割合(8時間/24時間 = 33.3%)を宿泊費に適用します。
外食費
沖縄での外食費は、事業のための会食や商談等に直接関連する場合のみ経費に算入可能です。それ以外の飲食費は一般的にプライベートとみなされ、経費として認められません。
ガソリン代
観光の途中で仕入れ先に立ち寄った場合のガソリン代も、レンタカー同様に走行距離で按分します。具体的には、事業目的での走行についての距離割合を用いてガソリン代を算出します。
証拠書類について
経費を証明するための証拠書類としては、以下を用意することが推奨されます:
行程表: 旅行の日程と訪問先を詳細に記載する。
領収書: 宿泊費、交通費、食事代などの領収書を保存し、裏面に役務提供者や取引相手の情報を記載。
写真・記録: 訪問先での商談や仕入れ活動の記録を写真やメモで残す。
その他の文書: 商談相手とのメールのやり取りや面会記録など。
これらの資料があれば、税務署からの指摘があった際にも、事業に関連する経費として正当性を説明しやすくなります。按分した割合が合理的であることを十分に証明できるよう準備を心がけてください。
この度はご回答いただき真にありがとうございます。
当方のような素人でも分かりやすく平易な文章で記載いただき、非常にありがたかったです。
本投稿は、2024年09月26日 12時16分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。