工事代金を負担してもらった場合の受贈益の計上について
飲食店を営む法人です。
現在の店舗は賃貸物件で、大家さんは個人の方です。
店舗は古民家の物件でかなり古い木造建築です。
先日、店舗前の道路工事があったのですが、店舗が古いためその工事の振動などの影響で店舗の屋根が崩れる恐れがあるため、耐震補強工事が必要になるとのことでした。しかしこれは工事をする側の都合なので、補強にかかる費用は工事業者の方で負担していただけることになりました。
当社としては無償で屋根の補強工事をしてもらえたわけですが、
①これは受贈益として当社で計上すべきか、もしくは物件の所有者である大家さんの利益として大家さん側で利益に計上されるのか、どちらでしょうか?
②当社で計上するとなった場合、金額は時価ということになるかと思いますが、この場合の時価というのは費用を負担してくれた工事業者に確認しなければいけないのでしょうか?もしそれが難しい場合はどのように見積もるのでしょうか?
よろしくお願いいたします。
税理士の回答
心配ご無用です。このケースは受贈益ではなく、道路工事の振動対策として工事業者が負担したもので、飲食店法人様の建物価値向上工事に該当し、原則修繕費として損金計上が可能です。大家さん負担でもありません。
受贈益の該当性
工事業者の負担は工事負担金や二次災害防止目的で、受益者(貴社建物)が直接費用出さずとも、修繕費or資本的支出扱いとなります。
道路工事影響の耐震補強は「被災前効用維持工事」として受贈益非該当、益金不算入で大丈夫です。
計上方法のご提案
無償工事なので建物付属設備or修繕費仕訳、税務上圧縮記帳(工事負担金仮受→固定資産圧縮)がよろしいかと思います。
大家さん(土地所有)は関係なし、貴社建物受益のみとなります。
時価の見積もり
受贈益なら時価必要ですが、このケース不要。念のため工事業者見積書入手、なければ同等工事相場(地元業者相見積)で根拠化を。
お近くの税理士先生にご確認。古民家耐震は特例措置ありかもです。
良波先生
ご回答をいただき、ありがとうございます。
受贈益には該当しないという点と時価の見積もりについては理解できたのですが、計上方法について私の理解不足で大変申し訳ございませんが、追加で確認させていただきます。
当社において建物付属設備or修繕費仕訳を計上とのことですが、仕訳としては例えば、付属設備/受贈益という仕訳で受贈益を計上するが、その後、圧縮損/付属設備という仕訳で受贈益と圧縮損が相殺されるという理解でよろしいでしょうか?
宜しくお願い致します。
相談者様のご理解の通りです。
無償工事の場合、まず「建物付属設備 / 受贈益」で資産と益金を計上し、次に「圧縮損 / 建物付属設備」で相殺するのが直接減額方式の標準仕訳です。
正確な仕訳フロー
工事受領時
(借) 建物付属設備 [工事額] / (貸) 受贈益 [工事額]
→ 益金発生。
圧縮記帳時
(借) 固定資産圧縮損 [工事額] / (貸) 建物付属設備 [工事額]
→ 相殺&資産減額。
これで受贈益と圧縮損がネットゼロ、帳簿価額圧縮され減価償却減少(課税繰延)となります。
修繕費の場合の代替
耐震補強が軽微修繕(耐用年数短・費用小)ならシンプルに修繕費計上(借:修繕費 / 貸:受贈益)することで、益金・損金即相殺で資産計上なしとなります。
工事内容・金額次第(数百万円超なら資本的)、見積書でお近くの税理士判断をご依頼いただければと思います。
良波先生
分かりやすく丁寧にご回答をいただき、ありがとうございます。
よく理解でき、大変参考になりました。
お忙しいところお手数をおかけしました。
本投稿は、2026年01月07日 16時11分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







