自動車の減価償却について
内装業をしている個人事業主です。
昨年8月に新車を購入、12月に納車されました。
50万を手付金で先に払い、後日銀行から250万借入、残りの49万ちょっとを手出ししました。
そこでお聞きしたいのが、
①この様な場合の仕訳
②減価償却をするのが初めてなのですが、その場合何か提出が必要な書類があるのか
③償却資産申告書の提出が必要か
をお聞きしたいです。
よろしくお願い致します。
税理士の回答

① 仕訳について
新車を購入し、資金を手付金や借入で支払った場合の仕訳は次のようになります。
- 購入時の仕訳
- 借方に「車両運搬具」299万円(取得価額)を計上します。
- 貸方には「現金」50万円(手付金)、「未払金」250万円(銀行からの借入)、そして「現金」49万円(残額)を計上します。
具体的な仕訳は以下の通りです。
【借方】
車両運搬具 2,990,000円
【貸方】
現金 990,000円
未払金 2,500,000円
- 減価償却費の計上
自動車の耐用年数は通常6年とされ、個人事業主の場合、定額法が標準的な減価償却方法です。取得価額299万円に償却率0.167をかけて、年間の減価償却費を計算します。初年度は月割計算となり、12月購入の場合、1か月分の償却を行います。
② 減価償却のための書類
個人事業主が減価償却を初めて行う際、特別な書類の提出はありませんが、「所得税の減価償却資産の償却方法の届出書」を提出すれば、定率法による償却が可能になります。この届出は、確定申告書の提出期限(通常3月15日)までに行います。
③ 償却資産申告書の提出
償却資産申告書は、毎年1月末までに市区町村に提出する必要があります。これは地方税である固定資産税の計算に用いられるため、個人事業主として事業用の資産を有している場合は提出が必要です。
丁寧なご回答ありがとうございます。
もう少し質問宜しいでしょうか?
①仕訳ですが、手付金を払った日付と残りを払った日付が別の日なのですが、その場合はどうなりますか?
あと借方の車両運搬具が299万なのは何故でしょうか?
②所得税の減価償却資産の償却方法の届出書を提出すれば定率法で減価償却が可能との事ですが、定額法とどちらが良いのでしょうか?
③以前質問した際に、自動車に固定資産税はかからないと回答いただいたのですが、違うのでしょうか?
お忙しいとは思いますが、よろしくお願い致します。

ご質問ありがとうございます。それぞれ詳しく説明します。
① 仕訳について
失礼しました。修正させてください。下記ではいかがでしょうか。
(1) 手付金を払った日付と残額を払った日付が別の場合の仕訳
手付金や残額を支払った日付ごとに仕訳を分ける必要があります。
- 手付金を支払った時(現金50万円)
借方:車両運搬具 500,000円
貸方:現金 500,000円
- 銀行からの借入を受けた時(250万円)
借方:普通預金 2,500,000円
貸方:借入金 2,500,000円
- 残額を支払った時(残額490,000円+借入金2,500,000円)
借方:車両運搬具 2,990,000円
貸方:普通預金 490,000円
貸方:借入金 2,500,000円
② 減価償却についての書類の提出
- 個人事業主の場合、初めて減価償却を行う場合でも特段提出する書類はありません。
ただし、「所得税の減価償却資産の償却方法の届出書」を提出すると、定率法での償却が可能になります。
届出書を提出しない場合、原則として「定額法」が適用されます。
③ 償却資産申告書の提出について
- 償却資産申告書の提出が必要かどうかは、購入した自動車の用途によります。
- 業務専用(事業でのみ使用する場合):申告が必要です。
- プライベート兼用(事業と個人使用の両方):申告不要ですが、事業使用分だけ減価償却できます。
償却資産申告書は毎年1月31日までに管轄の市町村に提出します。
追加の質問について
① 支払い日が異なる場合の仕訳
支払日ごとに分けて仕訳を行います(上記の手付金と残額の例を参考にしてください)。
② 定額法と定率法の違いと選び
- 定額法:毎年同じ額を減価償却します。償却額が一定なので経費が安定します。
- 定率法:初年度に多く減価償却できるため、早期に経費を計上できます。ただし、年々減額します。
選び方のポイント:
- 利益が多く出る場合:初年度に多く経費を計上できる「定率法」が有利。
- 安定した経費を希望する場合:毎年一定額を経費に計上する「定額法」が適しています。
③ 自動車に固定資産税はかかるか
失礼しました。
- 自家用車や事業兼用の車:固定資産税は課税されません。ただし、毎年「自動車税」が発生します。
詳しくご回答頂きありがとうございます。
償却資産申告書は自家用と兼用なら提出不要で、提出しなくても事業使用分は減価償却可能と言うことですね。
大変助かりました!
ありがとうございました。
本投稿は、2025年01月12日 20時25分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。