民泊のリフォーム費用の減価償却耐用年数について
築70年の古民家をリフォームして、旅館業許可を取得したのち、民泊を運営しております。 リフォーム業者に一括で支払ったリフォーム費用300万は、建物として資産計上して4年で償却するのは大きな問題があるやり方でしょうか? ご教示いただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。
税理士の回答
山口勝己
リフォーム費用300万円を「建物」として資産計上し、一律で「4年」で償却するやり方は、税務調査で否認される(正しくないと指摘される)リスクが高いと考えられます。
「建物」自体の耐用年数ですが、築70年の木造住宅(法定耐用年数22年)を事業用資産として取得した場合、中古資産の簡便法により耐用年数は4年(22年×0.2)となります。
建物本体の取得ではなく、その後のリフォーム(資本的支出)については、原則としてその建物の法定耐用年数(新築時と同じ22年)を適用して計算します。ただし、リフォーム費用が建物の再取得価額の50%を超えるなど、実質的に新しく取得したとみなされる場合は別の計算が必要ですが、300万円であれば通常は「22年」での償却が求められるケースが多いです。
また、リフォーム費用300万円の中には、建物そのもの(壁や床)だけでなく、耐用年数が異なる資産が含まれているはずです。これらを分けることで、より早い年数で償却できる可能性があります。
建物附属設備(耐用年数 15年など): 給排水設備(水回り)、ガス設備、電気設備などが該当します。
器具備品(耐用年数 5〜6年など): エアコン、家具、家電などは「建物」ではなく「器具備品」として計上することで、より短期間で経費化できます。
工事内容によっては、資産計上せずその年の経費(修繕費)にできる部分があるかもしれません。
壊れた箇所の修理や、通常の維持管理のための壁紙張り替えなどは、金額に関わらず「修繕費」として一括で経費にできます。
1点10万円未満のものや、青色申告であれば30万未満の備品などは一括償却が可能です。
「300万円を一括で建物(4年)」とするのではなく、リフォーム業者から見積明細(内訳)を取り寄せ、以下の3つに仕分けすることをお勧めします。
修繕費: 原状回復のための工事(即時経費)
建物附属設備・器具備品: 水回りやエアコンなど(15年や6年で償却)
建物(資本的支出): 間取り変更や価値を高める改修(原則22年で償却)
国税庁の指針では、資本的支出と修繕費の判定基準が細かく定められています。正確な判断には、実際の金額を元に税理士や税務署への相談を検討してください。
ご回答いただき感謝いたします!
大変参考になりました。もしできましたら、もう1点ご教示いただけますと幸いです。
今回物件購入価格が190万円ですので、耐用年数の特例を使って計算することは可能でしょうか(見積もりの内訳整理が困難な場合)
190÷4=47.5
300÷22=13.63
→490÷(47.5+13.63)=8.01
耐用年数8年で490万を償却
お忙しい中恐れ入りますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
山口勝己
見積もり内訳整理が困難な場合の計算について
物件190万 + リフォーム300万 = 合計490万を8年で償却するという計算式について、国税庁の特例(「簡便法」)の適用方法に誤解がある可能性があります。
物件(190万)の簡便法(4年)の適用は適切です。
リフォーム(300万)については、原則、その内容が「新築と同等程度」であれば、新築の法定耐用年数(木造22年)を適用する必要があります。
ご提示の計算式は一見論理的ですが、見積もりの内訳がない(どの工事が建物本体で、どの工事が設備か不明)の場合、税務署は合計額に対して厳しい判定(長期間での償却)を求めてくることが多いです。
見積もりの内訳が不明、または分離が困難な場合、税務リスクを避けるための現実的なアプローチとしては、リフォームの内容が、キッチン、風呂、トイレ、照明、エアコン、断熱材の強化などであれば、それらは「建物」ではなく「建物附属設備」として処理できます。建物附属設備は、耐用年数は一般的に10年〜15年と、建物本体(22年)より短く、かつ早期償却が認められやすいです。300万円の内容が設備メインであれば、これらで償却期間を短縮できます。
これは、私は行ったことが無いですが、「耐用年数の短縮」を申請するという選択肢もあります。
古民家は法定耐用年数を超えていてもまだ使用可能ですが、建物が著しく老朽化している場合、所轄の税務署長に「耐用年数の短縮」を申請し、認められれば、通常より短い年数での償却が可能になります。
物件190万: 4年でOK。
リフォーム300万: 全体として4年で償却するのは、税務調査のリスクが非常に高い(問題あり)。
推奨: リフォーム内容を「建物」「建物附属設備」「修繕費」に分けて計上する。具体的には、300万の多くを「建物附属設備」として耐用年数10〜15年で償却する方針が、合理的かつ安全です。
早速のご回答に感謝いたします。
先生のおっしゃる通り、もう一度見積もりを整理し直してみます。
お忙しい中、本当にありがとうございました。
山口勝己
参考になれば幸いです。よろしくお願いいたします。
本投稿は、2026年03月06日 14時13分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







