中古建物の減価償却について
法人ですが、平成29年に購入していた中古住宅(法定耐用年数は過ぎています)の減価償却を忘れていたため、昨年、思い出した時に、取得価格、供用開始日を平成29年の当時の内容で設定して、耐用年数を4年でやり直しました。今期は4年目にあたるため、簿価は1円になりましたが、貸借対照表に表示される有形固定資産の建物価格が、1年分の償却額のみ差し引かれ残ってしまいました。建物価格の処理をどのようにすれば良いか教えて下さい。
税理士の回答
先ず、耐用年数4年というのは税法上の簡便法による考え方であって、会計上の耐用年数は見積りによります。
次に、法人税法上は減価償却は法人の任意によるものとされており、法人が減価償却をしないという選択をしたと看做されます。
以上により、ご質問のケースでは税法上の簿価は取得価額-1年分の減価償却費になり1円にはなりません。
会計上の簿価を1円にしようとすれば、上記の税法上の簿価との差額を減価償却することになりますが、法人税法上損金算入できるのは償却限度額までとされていますので、超過する減価償却費は別表4で加算調整し、別表5(1)に記載することになります。
つまり、税法上の減価償却に合わせようとすれば、減価償却を開始した期から4年間で償却をすることになり、建物の帳簿価額も税法上の帳簿価額となり1円とはなりません。
内容理解しました。有難うございます。
減価償却は法人の任意とする場合、購入した建物は現在も賃貸物件として稼働中であるため、償却期間を延長することは可能でしょうか
中古資産は取得時に決めた耐用年数を変更することはできません。(法人税法基本通達1-5-1)
補足します。
上記の回答は法人税法上の規定ですので、会計上の耐用年数変更は見直しにより可能です。
但し、会計上耐用年数を変更して減価償却費を変更しても、法人税法上の減価償却費の損金算入限度額は4年定額法で計算した金額です。
納得しました。適切なご回答頂き有難うござました
本投稿は、2021年04月18日 18時02分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。