不動産売却による借入金返済時の処理について(法人)
今回、所有不動産の売却を行い、当該不動産を購入した際に組んだ借入金を全額繰上返済いたしました。
借入金返済にあたって、売主(当方)と買主(先方)の借入先の銀行が同じだったため、銀行内で精算する形となり、現金が動かない形での返済となりました。この場合の借入金返済にかかる処理をどのようにしたらよろしいでしょうか?
なお、金額をざっくり申し上げると、売却金額が2500万円、繰上返済金2000万円となり、その他敷金の精算や固定資産税の精算等で100万円程度が発生し、約400万円程度が口座に振り込まれた形になります。
なお、会計ソフトはFreee会計を使っておりまして、現状振り込まれた法人口座の400万円の金額の中で、売上高2500万円、長期借入金▲2000万円、その他諸々▲100万円を登録して帳尻を合わせているのですが、このような対応で問題ないでしょうか。
税理士の回答

現状の処理方法は概ね正しいですが、以下の点を確認・調整するとより適切です。
売却益(または損失)の計上: 売却金額(2,500万円)から帳簿価格および譲渡費用を差し引き、売却益または損失を「特別利益」や「特別損失」として計上します。
借入金返済の処理: 繰上返済した2,000万円は「長期借入金」の減少として正しく登録されています。銀行間精算のため現金は動きませんが、仕訳は通常通り「借入金返済」の仕訳を行います。
精算項目の処理: 敷金や固定資産税の精算額(100万円)についても正確に「未払金」や「預り金」として登録する必要があります。
石割様、早速ご回答いただきありがとうございます。
追加の質問となり恐縮なのですが、現状、固定資産台帳で、土地・建物の簿価価格を「固定資産売却損益」として計上しております。その場合、先ほど記載した売却金額2500万円についても「売上高」ではなく、「固定資産売却損益」として計上する形で間違いないでしょうか。
そうするとP/L上で「固定資産売却損益」がマイナス表示されましたので、これを振替伝票にて「特別利益」に振替えすることであっていますでしょうか。

ご質問ありがとうございます。
「固定資産売却損益」の計上について
1. 売却金額の計上場所
固定資産(不動産)の売却は、通常「売上高」ではなく「固定資産売却損益」で処理します。したがって、売却金額2,500万円は「売上高」ではなく「固定資産売却損益」の勘定科目に計上する形で正しいです。
2. P/L上の「固定資産売却損益」のマイナス表示について
「固定資産売却損益」は売却金額から簿価および売却に伴う費用を差し引いた結果を示します。これがマイナスの場合、固定資産売却に伴う損失が発生していることを意味します。このまま「特別損失」として処理するのが一般的です。
3. 「特別利益」への振替え
売却損益がプラスの場合は「特別利益」、マイナスの場合は「特別損失」として計上します。ただし、Freeeで「固定資産売却損益」をそのままP/Lに表示する設定も可能なので、振替伝票で移動させる必要は必ずしもありません。
必要に応じて、「特別利益」または「特別損失」に振替えて整理しても問題ありません。
結論としましては、現在の処理で「固定資産売却損益」として計上するのは正しいです。振替は任意ですが、「特別利益」または「特別損失」に整理することで、財務諸表の見やすさが向上します。
本投稿は、2025年01月10日 22時41分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。