同族企業での人間ドックについて
役員1名、従業員2名の法人役員です。従業員は私の両親のみです。
この3名で人間ドックを受けようと思いますが、損金にできるのでしょうか?
できるとすると、福利厚生費として処理でしょうか?
役員と従業員で扱いは異なるのでしょうか?
税理士の回答

この規模では、無理でしょう。否認されます。
相田先生
ご回答ありがとうございます。
どうして否認されるのですか?
先生には、否認された実績があるのですか?
また、否認されるからやめとけ、とお客さんに助言されているのですか?

高額ではなく一般的なものであれば、全員一律で福利厚生費で問題ないと思います。

家族の会社で、福利厚生費、というものは通常考えられません。
第三者の従業員もいないのですから。
事業用、私生活用。
当然、区別すべきですし、実際に否認事例も聞き及びます。
相田先生、ありがとうございます。
ということは、先生はクライアントの小規模な家族の会社に、「おたくのような会社では福利厚生費は、税務上認められません」と指導されているということですか?

同族会社においては、すべからく、事業用、私用の部分が混在しがちです。所得税における事業所得の場合、調査を受けることもまれなため、顕在化することはあまりありません。
ただ、ご相談者様は、法人です。
法人の場合、事業のために供するものが経費となり、私的なものは経費になりません。
同族会社において、公私の混同が起きないように、注意喚起するのは税理士の役割の一つであり、適正な申告につながります。
その中でも質的に人間ドッグというのは行き過ぎではないでしょうか。
この段階までする会社であれば、他の経費についても私が税務職員であれば精査します。
といった視点もある、という一意見となります。
他の先生方がオーケーとされている場合であっても、そういった視点もどこかに持っておかれておくのもよろしいのかと思われます。
勿論、申告者が自己責任で申告するものですから、あくまで参考意見に過ぎません。ご自身でご判断ください。

(課税しない経済的利益……用役の提供等)
所得税基本通達36-29 使用者が役員若しくは使用人に対し自己の営む事業に属する用役を無償若しくは通常の対価の額に満たない対価で提供し、又は役員若しくは使用人の福利厚生のための施設の運営費等を負担することにより、当該用役の提供を受け又は当該施設を利用した役員又は使用人が受ける経済的利益については、当該経済的利益の額が著しく多額であると認められる場合又は役員だけを対象として供与される場合を除き、課税しなくて差し支えない。
健康診断は、労働者の健康保持・増進の観点から、会社は健康診断を実施する義務があり、社員は健康診断を受診する義務があると法律で定められています(労働安全衛生法 第66条)。
そして、税法でも、健康診断の対象者が全社員となっており、診断内容が健康管理を目的としたものであって常識的な範囲内のものである場合には、その費用を会社が負担しても給与課税はしないとしております。
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/gensen/03/03.htm
法人の役員と従業員が親族だからということのみで、それが認められないというのは法の趣旨に反すると思います。もちろん、大前提として、親族ではあっても役員・従業員としての勤務の実態があること、仮に親族以外の従業員がいたとしても同様の措置を施す体制になっていることは言うまでもありません。
そのためにも、就業規則等に健康診断に関する規定を設けておくことも必要かと思います。
先生方、ありがとうございました。
見応えのある展開でしたが、もうここらへんで良いでしょう。
本当に、ありがとうございました。
本投稿は、2018年06月02日 13時38分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。