保険差益金の圧縮記帳について
今期、豪雨により工場のエレベーターが水没し、使用不能になりました。それに対する保険金が今期に入金されましたが、今期中にエレベーターを新たに取り付けることはなかったため、3千万円ほどの純利益が出ています。来期か再来期に新たになれば新たに取り付ける可能性があります。
この状態において、今期の税額を減らすために保険差益金の圧縮記帳の特別勘定を設定できないかと考えています。
適用するために必要な書類、また、税務調査があった場合の争点、気をつけるべき点について教えてください。また、価格の上昇を見越して、代替資産の取得に当てようとする金額は多く見積もることはよいか、教えてください。
税理士の回答
髙畑智子
保険差益については、受領した保険金額のほか、被災したエレベーターの滅失直前の帳簿価額や、滅失等に伴って支出した経費等を確認して計算する必要があります。
また、保険差益に係る特別勘定は、保険金を受領した事業年度に代替資産を取得できなかった場合に、翌事業年度開始の日から原則2年以内に代替資産を取得または改良する見込みがあることが前提です。
ご質問では「来期か再来期に新たに取り付ける可能性がある」とのことですが、単に可能性があるという段階で、今期の税負担を減らす目的で特別勘定を設定することは適切ではないと考えます。
まず、保険金額、被災したエレベーターの帳簿価額、撤去等の費用、代替エレベーターの取得計画・時期・取得見込額を確認したうえで、特別勘定の適用可否および限度額を検討する必要があります。
取得見込額についても、価格上昇を理由として恣意的に多く見積もるのではなく、見積書等に基づく合理的な金額とすることが重要だと考えます。
早速のご返信ありがとうございます。可能性という表現でしたが、見積書は取得しており、取り付けも2年以内を目安としていますが、具体的なスケジューリングを立てているわけではありません。このような場合でも、適用は避けた方がよいですか?税務署から指摘を受ける可能性はありますか。
髙畑智子
見積書を取得済みで、対象となる設備も具体的に決まっており、2年以内を目安に実際に取り付ける予定であれば、必ずしも具体的な工事日程まで確定している必要はないと考えます。
保険金等を受け取った事業年度中に代替資産を取得できない場合でも、その翌期首から原則として2年以内に取得または改良する見込みがある場合には、保険差益について特別勘定を設定することが認められています。
したがって、ご記載の状況であれば、見積書等を保管し、取得予定の資産や取得予定時期を説明できるようにしておけば、特別勘定の適用を検討してよいと思われます。
もちろん税務調査で取得予定について確認される可能性はありますが、「具体的な工事日が決まっていない」ということだけで直ちに否認されるものではありません。
なお、実際に期限内に取得しなかった場合には、特別勘定の取崩し等の処理が必要になります。
本投稿は、2026年09月18日 12時55分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







